2011年8月30日火曜日

県産肉牛、流通再開へ全頭検査開始(下野新聞 8月30日)


県産牛の出荷制限の一部解除を受け、県の品質管理計画による全頭検査が29日、始まった。県内農家から出 荷された肉牛53頭が県内3カ所のと畜場で解体され、県央、県南2カ所の家畜保健衛生所で簡易検査された。県は30日に結果を公表する。安全性が確認され た枝肉は31日、都内などで競りに掛けられる予定。
肉牛は県内全域から県畜産公社(宇都宮)に35頭、両毛食肉センター(足利)に7頭、那須地区食肉センター(大田原)に11頭が搬入された。
職員が解体した枝肉から首周辺の約1・5キロを採取し、個体識別番号を張って管理。家畜保健衛生所に運び込み、脂肪分などを取り除いた赤身のみを使って簡易検査した。
放射性セシウムが1キログラム当たり200ベクレル以下ならば「検査結果通知書」を発行し、市場に流通させる。200ベクレル以上の肉は精密検査を行い、500ベクレル以下ならば流通させ、500ベクレル以上は廃棄処分する。
安全性が確認された枝肉は31日にも、東京食肉市場などで競りに掛けられる見通し。
県畜産公社の山口幸志社長は「とりあえず出荷が再開されてよかった」と、胸をなで下ろしていた。

県北3市町も不検出 コメ放射性物質検査(下野新聞 8月30日)


県農政部は29日、2011年産の県産米モニタリング検査の予備検査(収穫前検査)で、大田原市、那須塩原市、那須町、西方町の玄米から放射性物質は検出されなかったと発表した。
西方町は24日、大田原市、那須塩原市、那須町は26日に玄米のサンプルを採取した。対象は旧市町村単位ごとに大田原11カ所、那須塩原8カ所、那須町4カ所、西方町1カ所の計24カ所。玄米は県農業試験場などで検査した。
大田原、那須塩原、那須の3市町は9月5日に本検査(収穫後検査)を実施する予定。結果は7日にも判明する見通しで、国の基準値を下回れば農家への出荷や販売の待機要請が解除される。
3~4月に実施した水田土壌調査では、那須塩原市で3130ベクレル、大田原市で2014ベクレルを検出するなど、県北を中心に放射性セシウムが高い傾向があった。
このため同部は今回のコメ検査では、サンプル採取地を旧市町ごとに増やすなどして調査している。県内のコメからはこれまで放射性物質は検出されていない。
4市町の予備検査地点(旧町村)は次の通り。
大田原市(大田原町、親園村、野崎村、佐久山町、金田村、西那須野町、湯津上村、黒羽町、川西町、須賀川村、両郷村)▽那須塩原市(黒磯町、鍋掛 村、東那須野村、高林村、西那須野町、狩野村、塩原町、箒根村)▽那須町(那須村、伊王野村、芦野町、鍋掛村)▽西方町(西方村)

「党内分裂変わらず」 民主新代表選出で本県野党国会議員 みんな・渡辺氏「連立ありえぬ」(下野新聞 8月30日)


民主党代表選で野田佳彦氏が新代表に選出された29日、本県関係の野党議員からは、代表選であらためて露見した党内対立や野田氏の増税路線に対する批判など、厳しい指摘が相次いだ。
自民党県連会長の茂木敏充衆院議員は「決選投票の結果を見ても、野田さんと海江田(万里)さんに真っ二つに割れて、菅政権以来の主流派と反主流派の分裂は変わっていない」と、民主党の内紛体質を批判。
新政権に対して「(政権交代後の)2年間をどう総括し何をやっていきたいのか、議論を深める必要がある」として、早期の臨時国会開催を求める構え。
公明党県本部代表の遠藤乙彦衆院議員は「野党との協力という点では野田さんが適任だろう」と一定の評価をした上で「ただ彼は財政再建至上主義。これは間違い。今の状況でやると日本はガタガタになる。その辺をどう軌道修正させるかが大切だ」とくぎを刺した。
みんなの党代表の渡辺喜美衆院議員は、決選投票の末に野田氏が海江田氏を破ったことについて「『野田さんのほうが不人気だから解散はしない』などというピント外れの点が党内に受けた」と皮肉った。
野田氏が自民党との大連立に前向きなことについては「自民党も増税勢力。増税と電力料金引き上げ、ダブルで国民につけが回されていく政権になると思う」と述べた。みんなの党との連立の可能性も「ありえません」と否定した。

2011年8月25日木曜日

県産肉牛きょうにも出荷停止解除 3週間ぶり出荷再開へ(下野新聞8月25日) 


福島第1原発事故による放射能汚染の影響のため、県産肉牛が出荷停止となっている問題で、政府が25日に も本県の出荷停止を解除する方針を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。本県が「品質管理計画」で示した牛の全頭検査体制や、汚染わらの管理を 国が了承したとみられる。早ければ来週早々にも約3週間ぶりに県産肉牛の出荷が再開される見通し。岩手、福島の両県についても解除の方向で検討している。
出荷停止解除に向け県は、国に対し適切な飼養管理の徹底、全頭検査体制の確立などを盛り込んだ品質管理計画を示した。
計画では県内57戸の農家が保有する汚染稲わらについて、国の処分方法が決まるまで、県が管理することを明記。牛舎から離れた場所で隔離し、県職員が確認表を作成して定期的にチェックする。
出荷体制について国は、汚染された可能性のある牛を飼育、出荷した農家は全頭検査、それ以外の農家には全戸検査を求めていた。これに対し県は出荷するすべての牛の肉について、放射性物質検査を実施し安全を確認する。
汚染稲わらを与えていた農家には県内の食肉処理場に出荷するよう求め、県が直接安全を確認し市場に流通させる。それ以外の農家は県内で1頭を検査 し、放射性セシウムが1キログラム当たり50ベクレルを下回った場合には2頭目以降、県外の出荷先でも検査できるようにする。県産牛の約8割は都内など県 外で食肉処理されている。
県内複数の市町から出荷した牛の肉から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出され、政府は2日に福田富一知事に出荷停止を指示していた。

2011年8月20日土曜日

県産牛出荷停止、週明け早々の解除目指す(下野新聞 8月20日)

福島第1原発事故による放射能汚染で、県産牛が出荷停止となっている問題で、吉沢崇県農政部長は19日の会見で、「来週早々の解除に向け(国と)協議している」と述べ、解除に向けた国との協議が最終段階にあることを示唆した。福田富一知事が同日行った、畜産農家への支援策を盛り込んだ専決処分の会見で明らかにした。

吉沢部長は解除時期について「(来週早々解除となる)見通しが立ったわけではない」と述べ、国との協議の進展を見極める必要性にも言及した。ただ専決処分は「解除条件をクリアするためでもある」とも述べ、早期解除に期待を込めた。

解除となるには、肉牛の「品質管理計画」が国に了承されなければならない。県の計画では、県外の食肉処理場へ出荷する際には本県が放射性物質検査を行う方針で、東京都や埼玉県などと協議を進めている。

農家が保有する汚染稲わらは、スプレーなどで着色し牛舎から離れた場所で農家が隔離。県職員が定期的に管理状況をチェックできる体制を整える。

県産牛問題、各党動く 要望書や懇談会活発に 自民、みんなが先行(下野新聞 8月19日)

福島第1原発事故に伴う放射能汚染で県産牛が出荷停止となっている問題で、県内各政党の動きが活発化している。自民、みんな両党は県内の牛飼養関係者との会合を相次いで開催、早期の出荷停止解除や農家の支援に向け取り組む。これに対し民主党は週明けの22日に会合を予定。日程的には両党に後塵を拝した格好だが、関係者は「政権党として政府に直接訴える」と意気込む。農家の窮状を踏まえ早期解除の道筋を付けられるか、与党の力量が試される。

自民党県連と県議会のみんなのクラブは今月2日、政府の出荷停止指示直後に、早急に解除に向けた対応を行うよう県に要望書を提出。さらに自民は9日、牛飼養農家の支援策強化を求める2度目の要望書も出した。県が翌10日に発表した支援策には、制度融資の拡充など自民の要望がほぼ盛り込まれ、県政与党の力を示した。

また10日にはみんな、11日には自民が、競うように牛飼養関係者との意見交換会を開催し、切実な訴えを直接聞き取った。

自民県連の三森文徳政調会長は「県の9月補正予算での対応を県に求める」、みんなの高橋修司政調会長も「実効性のある政策に取り組む」と述べ、両党とも最重要案件と位置付ける。

両党のほか公明党県議員会、さらには県議会に議席を持たない共産党県委員会も県に要望書を提出。各党とも全国屈指の「畜産王国」の危機に敏感に反応している。

そうした中、民主党県連は17日、酪農・畜産部門の緊急懇談会を22日に宇都宮市内で行うと発表した。

県議会内からは「対応が遅い」と冷ややかな声も聞かれるが、同県連の石森久嗣幹事長は「最新の国の情報を関係者に伝えた上で意見を聞き、農水大臣に直接伝える。県が早急に対応できるよう取り組む」と述べ、政権与党としての役割を果たすと強調する。

出荷停止の解除に向け県は現在、国と調整を進める。県は全頭検査で安全確保を図る一方、県内57戸が保有する汚染稲わらは、各農家が隔離し県が定期的に巡回することで安全性を担保したい考えだ。

本県より先に出荷停止指示を受けていた福島、宮城両県は、早ければ19日にも解除される見通し。県の取り組みだけでは解決しない問題だけに、政権与党の民主が早期解除に向けどれだけ政治力を発揮できるか注目される。

小山産のコメ、放射性物質不検出(下野新聞 8月18日)

県産米に対する放射性物質の影響を調べるモニタリング検査のうち予備検査を行っている県は17日、小山市内で採取した早生品種「なすひかり」の収穫1週間前の玄米からは放射性セシウムが検出されなかった、と発表した。コメの検査結果が出たのは初めて。収穫後の玄米で行う本検査は今月下旬ごろから実施し、安全性が確認された地域から順次、出荷待機を解除する。

玄米は12日、同市寒川地区の水田から採取。脱穀して乾燥させるなどした約2キロを15日から、都内の分析機関で調べた。予備検査は県内73カ所で行う。

本検査は予備検査結果を基に、農林業センサスによる県内182の旧市町村単位を原則に実施する。予備検査で一定水準(1キロ当たり200ベクレル)を上回った地域は「重点検査区域」とし、該当地域を約15ヘクタールごとに細分化。国の暫定規制値(同500ベクレル)を上回った場合は出荷が制限される。

小山市の本検査は今月下旬から、旧市町村ごとに計10カ所で実施。すべての地域の安全性が確認され次第、新米の出荷が始まる。

民主代表選「D級グルメだ」 みんなの党・渡辺代表(下野新聞 8月13日)

みんなの党の渡辺喜美代表は12日の定例記者会見で、「ポスト菅」の民主党代表選について「次期代表選に出馬する人たちは『B級グルメコンテスト』などと言われているが、B級グルメに失礼だろう」と述べ、「まさにデフォルト(債務不履行)級、D級グルメコンテストだ」と批判した。

また、福島第1原発事故への対応などをめぐって更迭された経産省事務次官ら3幹部の退職金について「更迭と言っておきながら、勧奨退職と同じ扱いで、自己都合退職よりも2割前後高くなる見込みだという。これほど国民をばかにした話はない。役人に使われる大臣ばかりというのが、民主党政権の正体だ」と指摘した。

みんなの党結党2年 法案積極提出 政策力蓄え総選挙に照準(下野新聞 8月9日)

渡辺喜美氏が代表を務めるみんなの党が8日、結党2年を迎えた。昨夏の参院選で躍進し、今春の統一地方選でも本県などで勢力を伸ばした。国会では、独自の法案を次々出してアピールしているが、自民、公明両党の陰に隠れて存在感は薄れがち。今は法案提出などで政策力を蓄え、次期総選挙でキャスチングボートを獲得し、政界再編を目指す戦略を描いている。

「(4日の)市場介入など日銀の措置はほとんど効き目がない。日銀法を抜本的に変えることが必要だ」。5日午後、渡辺氏らは日銀法改正案など2法案を参院に提出した。

1月から始まった今国会で、みんなの党は独自の法案を8本、参院に提出した。昨夏の参院選で10人当選したため、単独での法案提出が可能になった。だが、審議に入った法案はなく、政策実現にはほど遠いのが実情だ。

ただ、東日本大震災後は、野党共同提案の法案が成立するなど、みんなの党の主張が政策づくりに反映されるケースも出てきた。同党の山内康一国対委員長は「審議には入れなくても法案を出せばメディアは取り上げてくれるし、旗を立てれば国民に知ってもらえる。審議もされない法案を出すのは無駄だととられるかもしれないが、後で必ず生きてくる」と意義を強調する。

■党首討論実現せず

参院選の成果で、党首討論に参加する「資格」も得た。ところが、実際には渡辺代表の党首討論は実現していない。

党首討論を行うには衆参いずれかの国家基本政策委員会に所属していることが条件。渡辺氏は所属していないため、1年前から民主、自民両党に所属を申し入れてきた。

だが、所属変更は可能であるにもかかわらず、受け入れられていない。山内氏は「入れてくれないのは国会のルール違反」と指摘。「代表にはインパクトがあるから嫌なんだと思う」と推測する。

震災後は民主、自民、公明の3党協議で法案を修正することが増えた。蚊帳の外に置かれている状況に、みんなの党幹部は「埋没していると言えばそうかもしれないが、密室談合政治は問題だ」と批判する。

■全都道府県に候補

今月1日、都内のホテルに同党の選挙区支部長が集まった。選挙のノウハウなどを伝える研修会で、次期総選挙をにらんだ選挙準備の一環だ。

目標の立候補者数は100人以上。北海道や中国、四国など同党の基盤が脆弱な地方で足場を築くことが課題の一つだ。幹部の一人は「候補者が一人もいない都道府県をなくす」としており、「政党の売りは政策と候補者。候補者の質と量を両方満たすよう努力を急がないといけない」と話す。

民主離れが進む一方、自民への支持も回復しきっていない。渡辺氏は「次の総選挙で、キャスチングボート勢力となれるようにする」と狙いを定める。

牛出荷停止被害 農家へ保証を 県議会「みんな」(下野新聞 8月3日)


県議会会派「みんなのクラブ」(阿久津憲二代表)は2日、福田富一知県議会会派「みんなのクラブ」(阿久津憲二代表)は2日、福田富一知事あてに、政府が指示した本県の肉牛の出荷停止で被害を受ける畜産農家への金銭補償などを求める緊急要望書を提出した。
 要望書は、出荷停止によって「本県の畜産農家などの資金繰りが悪化し、最悪の場合、自己破産などが相次ぐことが予想される」と懸念。肉牛の安全確認後は直ちに出荷解除することや、検査機器確保に万全をつくすことを国に働き掛けるよう事あてに、政府が指示した本県の肉牛の出荷停止で被害を受ける畜産農家への金銭補償などを求める緊急要望書を提出した。