2011年10月30日日曜日

地域医療再生交付金、小山市など7事業不採択  (下野新聞 10月29日)


県が28日提示した新たな地域医療再生臨時特例交付金の配分額見直し案では、計画期間の2013年度まで に着手が困難な事業を中心に7事業が不採択となった。国の有識者会議で厳しい評価を下された事業は、配分額が軒並み減額された。同会議で高評価だった栃木 市3病院の統合再編計画が「緊急性・重要性が高い」として、要望額の76%が配分されたのとは対照的だ。
小山市民病院の移転新築を計画している小山市は、同計画に関連する3事業を県に提案したが、看護専門学校整備支援と同病院移転後の跡地を老人保健 施設に改修整備するなどの2事業が不採択となった。もう一つの事業も1千万円以上減額され、配分額は1億5700万円と要望額の14%にとどまる。
いずれも国の有識者会議で厳しい評価だった事業だ。県庁でこの日開かれた説明会に出席した小山市の担当者は、取材に対し「ゼロ査定が二つも…。こ れから検討し直さなければ」と絶句。同市の大久保寿夫市長は「県の責任で別途補助金を確保してくれるものと確信している」とのコメントを発表した。
一方、県は同日、小山市民病院の移転新築計画には2009年度の地域医療再生基金から8億円配分することを決めた。同基金から5億円を配分する栃木市3病院の統合再編とのバランスを考慮したとみられる。
このほか不採択となったのは、県立岡本台病院の精神科救急医療システム整備など県提案の3事業、私的病院協会提案のメディカルクラーク(医療事務 作業補助者)雇用支援事業、自治医大提案のドクターヘリポート施設整備支援事業。国の有識者会議では、計画の熟度や他の医療機関との公平性が問われてい た。

2011年10月26日水曜日

「広域連合」は見送り 関東知事会、国の権限移譲は広域連携で (下野新聞 10月26日)


 関東地方知事会議(会長・横内正明山梨県知事)が25日、福田富一知事をはじめとする10都県の知事が出 席して都内の都道府県会館で開かれ、国の出先機関廃止に伴う権限移譲の受け皿として検討してきた関東地方の「広域連合」を見送ることで合意した。国からの 移譲対象事務の受け入れは、都県単独や複数都県による広域連携を基本とし、「広域連合」などの枠組みについては国の動向を踏まえ、あらためて検討するとし ている。
 同知事会は、国の出先機関廃止による受け皿づくりに向けた協議会を昨年設置し、検討を続けてきた。提案した当時の会長の松沢成文前神奈川県知事は、広域連合の設立に強い意欲をみせていた。
 だが検討の結果、広域連携による受け入れを基本とすることで合意した。広域連携で処理することが困難な事務・権限への対応については、出先機関の廃止が具体的になった段階で検討するとした。
 同知事会は国に対し、受け入れ主体を広域連合に限定せず、都県単独や広域連携でも可能とすることなどを要請することも決めた。
 福田知事は今回の検討結果について「事務的に合意が難しい項目が多くあって連携という緩めた形になった。国は関東知事会の要望の趣旨をしっかり受け止め、広域連合にとらわれず、できることから移管するよう真摯な対応をお願いしたい」と話した。

県職員給与0・3%引き下げ 県人事委勧告 4億6千万円の歳出削減に (下野新聞 10月25日)


 県人事委員会(平間幸男委員長)は24日、2011年度の県職員の平均月給を0・3%(1167円)引き 下げ、ボーナス(期末・勤勉手当)支給月数を3・95カ月に据え置くよう福田富一知事と県議会に勧告した。勧告が実施されれば、行政職(平均44・1歳) の平均年収は、財政再建の一環で実施済みの給与カット分と合わせて602万1584円に引き下げられる。
 同委員会は6月下旬~8月上旬、従業員数50人以上の県内169事業所を無作為に抽出。協力を得られた144事業所の給与を調査し、県職員の給与と比較検討した。
 その結果、「とちぎ未来開拓プログラム」に基づき10~12年度に実施する県職員給与の一律5%削減分を加味せずに比較した場合、県職員給与が民間給与の水準を上回ったため、引き下げ勧告を行った。ボーナスは県職員と民間が均衡しており、据え置きとした。
 引き下げ対象は原則40歳以上で、50代は最大で0・5%引き下げられる。30代以下は民間との差がないため、据え置きとした。
 平均月給の引き下げ勧告は3年連続で、ボーナスの据え置き勧告は3年ぶり。県人事課によると、勧告が実施されれば約4億6千万円の歳出削減が見込まれるという。

2011年10月21日金曜日

TPP反対で3100人集会 宇都宮 (下野新聞 10月20日)


 環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加に反対するJAグループ栃木などで構成する実行委員会は20日、宇都宮市のマロニエプラザで「TPP交渉への参加阻止県民集会」を開いた。
 約3100人が参加。高橋一夫実行委員長(JA栃木中央会長)は「十分な議論がないまま拙速に交渉へ参加することは、断固として阻止しなければならない」とあいさつ。野田首相に、交渉参加見送り決定を求める特別決議を採択した。

2011年10月19日水曜日

国から本県に40億円 復興基金創設へ (下野新聞 10月18日)


 川端達夫総務相は17日の記者会見で、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島、栃木など9県が復興基金 を創設できるよう、総額1960億円を特別交付税として12月ごろに配分すると発表した。規模は阪神大震災復興基金(約960億円)の2倍超。地域が独自 に実施し、国の補助制度がない被災者支援事業などに活用される見通しだ。
 川端氏は今回の配分で約10年間はさまざまな事業の実施が可能になるとの認識を示した上で「今後の展開を見て、さらなる対応も検討したい」と述べ、必要に応じて配分額を積み増す考えを示した。
 配分額は被害の大きい東北3県に手厚くし、宮城660億円、福島570億円、岩手420億円、他の6県は140億~10億円で、本県は40億円。市町村には各県から配分する。使途は自由だが、震災孤児ら災害弱者の支援や商店街の活性化、災害の伝承事業などが想定される。
 同基金は、プールした資金を必要に応じて取り崩す仕組みで、年度に縛られずに使える利点がある。阪神大震災の際は、資金の運用益で事業を実施する「運用型基金」の創設を交付税で支援したが、今回は低金利で運用益が見込めないため、方式を変更した。
 被災自治体が創設する基金への財政支援は、片山善博前総務相が7月に表明。今回の配分額は、第2次補正予算で増額した特別交付税約4600億円の一部を充てる。
 栃木県と県議会、市長会、町村会など6団体は今月7日、復興基金の対象に本県も含めるよう総務省などに要望していた。特別交付税の配分対象に本県 が加わったことについて、県経営管理部幹部は「政府に要望したかいがあった」と胸をなで下ろした。使途は現行制度から漏れた個人の住宅再建の利子補給や、 震災を原因とする地域振興策などを検討しているという。

2011年10月16日日曜日

街頭演説を行いました。(小山駅前 10月15日)

雨の降る中、小山市議2名とともに駅前に立ちました。私たちの熱い想いを今後も訴えてまいります。よろしくお願い申し上げます。

2011年10月15日土曜日

県単公共事業12・5%減 県が来年度予算編成方針 復興と財政両立目指す (下野新聞 10月15日)


 県経営管理部は14日、2012年度当初予算の編成方針をまとめ、各部局に通知した。予算要求基準として は、県財政健全化の道筋を定めた「とちぎ未来開拓プログラム」に基づき、県単公共事業、学校建築費、交通安全施設整備費を11年度当初予算比で約12・ 5%削減するとした。前年度要求基準の約11%削減を上回るが、一部の震災復興関連事業に関しては別枠で対応する方針も示した。
 東日本大震災からの復興への取り組みを積極的に進める一方で、同プログラムの財政健全化路線の継続を明記。また、2年目を迎える重点戦略「新とち ぎ元気プラン」(2015年度まで)に掲げた県民の安全・安心確保などの取り組みを着実に進めるため、同プランの重点事業には「知事政策枠」を設ける。
 県が自由に使える一般財源の予算額は、11年度比4億円増の5190億円を見込む。県税収入は、11年度の2030億円と同額と試算した。県財政課は「震災で法人税が落ち込む見通しがある一方、扶養控除の廃止で住民税が増える可能性がある」とみている。
 県債は11年度比23億円増の1067億円を見込む。このうち臨時財政対策債は35億円増の735億円。それでも80億円の財源不足が生じる見通しで、予算編成作業では歳出・歳入全般にわたる徹底した見直しが求められそうだ。

2011年10月13日木曜日

9月補正など可決 県議会予算特別委(下野新聞 10月13日)

 県議会予算特別委員会(高橋文吉委員長)は12日、66億9924万円の2011年度一般会計補正予算案など8議案を原案通り可決した。14日の本会議に報告され、可決される見通し。 

2011年10月12日水曜日

総合政策部「企画形」に 県議会検討会が正副会長案 (下野新聞 10月12日)


 県議会の行政機構調査検討会(板橋一好会長)は11日、県の組織見直しについてこれまでの議論を踏まえた 正副会長案を提示した。筆頭部の総合政策部を調整型から企画立案機能を重視した組織に整備するほか、東日本大震災の経験を踏まえ、災害担当の危機管理監の 権限を強化することなどを求めている。
 正副会長案は検討事項を(1)早期実施(2)早期見直しに着手すべき(3)引き続き見直しを行う必要がある(4)今後の課題-の四つに分類。総合政策部の機能強化は「知事のトップマネジメント機能を強化するため」として、早期実施を求めた。
 経営管理部の一組織である行政改革推進室については、総合政策部への移管や知事直轄部門とすることなどの検討を促した。また、危機管理監の権限強化は早期見直しに分類。現行の部局から独立させることも求めている。
 これまでの議論で焦点の一つとなっていた企画・財政部門の一体化については、方向性を出さずに今後の課題とした。
 現在は県民生活部に置かれている危機管理監については、みんなのクラブから「総合政策部の地域振興課においてはどうか」との意見が出た一方、とちぎ自民党は「震災の検証を待って、将来に見直しの余地を残すべきでは」と主張した。

2011年10月11日火曜日

県の民間賃貸借り上げ950件 県の震災避難者支援 (下野新聞 10月10日)


 東日本大震災に伴う福島県などからの避難者を対象に、民間賃貸住宅に入居する際の費用、家賃を支援する本 県の借り上げ制度(応急仮設住宅)の利用申請は1078件あり、このうち約950件が認定される見通しであることが9日までに、県消防防災課のまとめで分 かった。県は本年度中に掛かる関係経費として、9月補正予算案に約8億円を計上している。
 申請受け付けは7月1日から始め、9月30日に締め切った。県内のホテルなどに避難中の人に限り、今後も受け付ける。
 民間賃貸住宅の敷金、礼金、仲介手数料のほか毎月の家賃を月7万円まで、5人以上の入居は月9万円まで支援する。借り上げ期間は最長2年間。
 一方、県内で住宅が全半壊した世帯に最大300万円が支給される被災者生活再建支援金は10月7日現在、17市町で566件の申請があり、544件が支給された。
 申請が最も多いのは高根沢の120件、次いで那須烏山市77件、宇都宮市69件。東日本大震災に伴う基礎支援金の申請は2012年4月10日までできる。
 生活再建支援金は、都道府県の拠出金と国の補助が原資となっている。今回の震災に伴う拠出金として、県は9月補正予算案に約5億3千万円を計上した。

2011年10月9日日曜日

「潔白なら国会で証言を」 小沢氏初公判で、みんな・渡辺代表 (下野新聞 10月7日)

 みんなの党の渡辺喜美代表は6日の定例記者会見で、民主党の小沢一郎元代表の初公判について「いつまで世間を騒 がせているのか。早く国会に出てきてきちんとけじめをつけることが肝心。けじめのなさに国民は怒っているんだと思う」と指摘した。さらに小沢氏が無罪を主 張したことには「潔白だというのであれば、堂々と国会で証言されるべきだ。国会で真相を明らかにすることが、国民に対するけじめだと思う」と述べた。

2011年10月7日金曜日

台風15号災害を契機とした、安全、安心な栃木県づくりに向けての要望書の提出について

平成23年10月4日、知事に対し9月21日に本県に直撃し大きな被害を残した台風15号の災害を 踏まえ、県民が安心、安全に暮らせる環境を整備していくための要望書を提出いたしました。
http://www.lannetbiz.net/t-shuji/gikai.html

台風15号で県、農漁業被害に特別措置 (下野新聞 10月6日)


 先月20、21日の台風15号による風水害で県は5日、鹿沼市の農作物や農業用施設の被害に対し、県農漁業災害対策特別措置条例を適用した。
 農作物計13品目や家畜、施設の被害に県と同市が、生産を維持するための助成措置を実施。被災者が災害経営資金、施設復旧資金を借り入れた場合は県、同市、農業団体が利子を補給する。
 台風15号による農業関係の被害は、全県で1億8058万に上り、鹿沼市内は4223万円だった。
 被害作物、施設などは次の通り。
 【農作物】ナス、コンニャク、スプレー菊、ニラ、イチゴ苗、リンゴ、水稲、ネギ、ソバ、キュウリ、ブロッコリー、大豆、枝豆
 【家畜・魚介類】鶏(採卵鶏)、ニジマス、サクラマス、ヤシオマス、ヤマメ
 【施設】パイプハウス、鉄骨ハウス、牛舎バルククーラー、防ひょう網、養殖池

2011年10月6日木曜日

高齢者見守りネット県内17市町で発足 7市町は年度内発足目指す 17日にフォーラム (下野新聞 10月6日)


 市町と住民、福祉などの関係機関が連携し、一人暮らしの高齢者らを見守る「高齢者見守りネットワーク」 が、ことし5月末時点で県内17市町で発足したことが県のまとめで分かった。他の7市町も年度内をめどに準備を進めており、大半の市町で整いそうだ。県は 「見守り活動は住民の理解と参加なしには進められない」とし、17日に宇都宮市内で「地域支え合い体制づくりフォーラム」を開き、県内全域での活動推進を 図る。
 見守りネットワークは、見守りが必要な対象者の台帳を、市町や配達業務の傍ら協力する業者など関係者が共有し、訪問や声掛けを行う。異変がある場合、地域包括支援センターなどの関係機関に連絡する仕組み。
 既にネットワークを発足した市町は宇都宮、栃木、佐野、鹿沼、日光、小山、真岡、大田原、さくら、那須烏山、下野、益子、芳賀、壬生、野木、塩谷、高根沢の17市町。
 矢板、那須塩原、上三川、茂木、市貝、那須、那珂川の7市町も年度内のスタートに向け準備を進めている。足利、岩舟町も検討を始めている。
 見守り活動は、高齢者単身世帯の増加や、全国で昨年相次いだ100歳以上高齢者の所在不明問題を背景に必要性が指摘されている。県内のネットワーク整備は、2009年6月末時点では宇都宮市など4市町だったが、その後急増している。
 県主催のフォーラムは17日午後1時半から、とちぎ福祉プラザ(宇都宮市若草1丁目)で。県内で高齢者の見守り活動に取り組む福祉関係者が実践報告するほか、さわやか福祉財団理事長の堀田力氏が基調講演する。
 入場無料。希望者は6日までに申し込む。フォーラムの問い合わせは、運営事務局の下野新聞社業務推進部「地域支え合い体制づくりフォーラム」係、電話028・625・1104。

2011年10月5日水曜日

誘致候補地に46カ所 県のメガソーラー計画 近く企業募集 (下野新聞社 10月4日)


 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の導入を目指す県が、発電事業者の誘致に向けて県内46カ所の候補地 を選定したことが3日分かった。県内での事業化に意欲のある企業を近く募集する。募集に当たっては、候補地ごとに面積や送電線との距離など、事業検討の目 安となる項目をリスト化し、県のホームページなどで公表する。県は2012年度以降の事業化を目指している。
 46カ所の候補地の総面積は431ヘクタール。このうち民有地は35カ所、376ヘクタールで、件数、面積とも最大となった。民有地は市町を通じて応募のあった土地で、山林や原野のほか、岩石採取場跡地などが上がった。
 県有地は5カ所、26ヘクタールで、分譲中の産業団地や比較的面積の広い未利用地などが選ばれた。市町有地も6カ所、29ヘクタールがリスト入りした。
 市町を通じて応募があった件数は最終的に60カ所。県は、農業振興上の優良農地や水源かん養などのため伐採・開発に制限がある保安林などを除外し、候補地を絞り込んだ。
 各候補地のリストに挙げる項目には日射量のほか、更地の割合、売却希望の有無、都市計画法などでの用途規制なども記載する。
 県は、太陽光発電を県内で飛躍的に拡大普及させる象徴としてメガソーラー設置を位置付けている。リストは企業などが適地を探す際の目安となり、公表後は企業側に採算性を検討してもらい、事業化に向けた提案を受け付ける。
 県は、ソフトバンクの孫正義社長が提唱した自然エネルギー協議会に全国の34道府県とともに参加。同協議会を通じた活動が事業化に結び付くか注目される。

県南で大規模土地改良 国に地区調査申請 (下野新聞 10月4日)


  思川と巴波川、渡良瀬遊水地に囲まれた地域の農地を洪水から守るのを目的に、県は3日までに小山、栃木、野木の3市町にまたがる約3300ヘクタールを対 象に、国営土地改良事業の「地区調査」を国に申請した。事業が採用されれば、老朽化した排水設備の更新や排水路整備に100億円以上が投じられる。
 両河川が渡良瀬川に合流する最下流部のこの地域の農地は、これまでたびたび洪水に見舞われてきた。大雨が降ると自然排水が困難になり、排水機によ る機械排水に頼らなければならないこともある。地域内には3カ所の排水機場があるが、築造後40年以上経過した施設もあり、老朽化への対応が急がれてい た。
 このため、地元の土地改良区から要望を受けた3市町長は、福田富一知事に地区調査実施の要望書を提出していた。
 県は国に地区調査を申請するに当たり、現時点での事業概要を地区内3カ所の排水機場の更新と、総延長13・2キロの排水路整備を想定。国営事業費として100億円、関連事業費として16億円を見込んでいる。
 地区調査は2012年から2年間かけて実施される予定。国が県と市町、土地改良区の事業実施の意向を確認した上で、14年に全体実施設計を策定する。対象地域の受益者(主に耕作者)の同意が得られれば、15年にも事業実施に着手することになる。

2011年10月4日火曜日

県、警戒区域指定急ぐ 土砂災害対策 本年度84%、来年度完了へ (下野新聞 10月3日)


 土砂災害防止法に基づき、危険の周知や避難体制整備のための「土砂災害警戒区域」の指定を県が急ピッチで 進めている。本年度末までに対象箇所の84%の指定を終える見込みで、2012年度中に100%指定を目指す。人家がある箇所は本年度中に完了させる方 針。東日本大震災や台風12号、15号で土砂災害が相次いだことを受け、県は「方針通り着実に行う」としている。
 警戒区域は、県が現地調査し土砂災害の恐れがあると判断した場合に、市町との協議や住民説明会などを経て指定する。指定されると市町は、避難経路などを示したハザードマップを作成して住民に危険を周知しなければならない。住民の防災意識を高める効果も期待されている。
 警戒区域は「土砂災害危険箇所」の中から指定されるが、県内には同危険箇所が6924ある。県は05年度に警戒区域の指定を始め、人家や公共施設 がある箇所を優先してきた。昨年度までに危険箇所全体の66%に当たる4566カ所を指定。本年度は過去最多となる1259カ所を指定する予定だ。
 一連の台風で土砂災害危険箇所以外でも土砂崩れが起きた地点があるため、今後は危険箇所の見直しも行う。
 東日本大震災では那須烏山市の土砂崩れで2人が死亡。9月に発生した台風12号、15号では土砂災害による人的被害はなかったが、さくら市喜連川のお丸山公園で大規模崩落が起きるなど、県内各地で民家や公共施設が被害を受けた。
 県砂防水資源課は「ハード整備だけで土砂災害から人命を守るのは限界がある」と警戒区域指定によるソフト対策の重要性を訴えた上で「指定後も防災訓練を実施するなどして住民の意識を高めていきたい」としている。