2012年2月29日水曜日

県議会代表質問】食品新基準で検査強化 人事評価の透明性確保 (下野新聞 2月28日)


 県議会2月定例会は代表・一般質問初日の27日、三森文徳(とちぎ自民党)、高橋修司(みんなのクラ ブ)、一木弘司(民主党・無所属クラブ)の3氏が代表質問を行い、食品中の放射性セシウムの新基準値への対応や、県職員の人事評価制度などについて県執行 部の考えをただした。福田富一知事らは(1)新基準値を超えた農林産物が流通しないよう検査体制を充実する(2)県職員の人事制度は結果を開示する仕組み を整え、透明性を確保する-ことなどを明らかにした。
 ■三森 文徳氏(自民) 在宅医療推進室新設できないか
 -4月から適用される食品の放射性セシウム新基準値に対し、県はどう対応するのか。
 知事 放射性セシウムの農林水産物への移行低減対策に加え、新基準を超えた農林水産物が流通しないよう検査体制充実を図る。流通段階の検査を厳正 に行い、結果を公表する。農協管轄区域単位で行っている検査は原則として市町単位とし、栽培面積の少ない地域特産物は検査対象を拡大する。魚は検査する種 類や地域を増やす。
 -在宅医療・介護充実の取り組み強化が必要。県庁に在宅医療の推進室を新設しては。
 知事 本年度は、関係団体や有識者による県在宅医療推進協議会を設けた。県内の実態を調べるとともに、医療、介護の効果的な連携などの検討を進め る。引き続き看護職員の養成確保などに取り組み、2012年度からは看護と介護を一体的に提供する複合型サービスの普及を図る。庁内組織については(協議 会の取り組みを踏まえて)効果的な推進体制を考えていきたい。
 /高橋 修司氏(みんな) 全身測定装置、県も導入すべき
 -身近なところで内部被ばく検査が受けられるよう(全身測定装置の)ホールボディーカウンターを、県も導入すべきではないか。
 知事 国内に106台あるとされるが、国内では製造していない。茨城県に20台近く、福島県にも10台近くあるなど原子力発電所のある所には配置 されている。本県は茨城県の施設の協力を得て検査することになっている。外部被ばく、内部被ばくと給食の検査との三つの事業の結果を踏まえ、有識者の提言 を勘案し対応したい。
 -12年度から本格導入する県職員の人事評価制度の内容は、どのようなものか。また透明性をどう確保していくのか。
 五家正経営管理部長 職員の人材育成に効果的で信頼性のあるものとなるよう、12年度後半からの本格導入に向け、試行中の制度の見直しを進めてい る。評価基準の明確化を図り、業績だけでなく結果に至るプロセスも加える。結果を開示する仕組みも整備し、透明性を確保したい。
 ■一木 弘司氏(民主・無所属) スポーツゾーン 県全体で検討を
 -総合スポーツゾーン構想は、県全体の均衡の取れた発展という見地から検討していくべきだ。今後設置する全体構想の検討委員会で、県内のスポーツ施設全体の在り方を検討する機会はあるのか。
 知事 まず各市町のスポーツ施設で、安定的に事業ができるものがどの程度あるのか把握する。大きな大会を誘致した場合のことも議論しながら、どういう施設を優先して整備すべきなのか、有識者の意見を伺いたい。
 -宇都宮市の次世代型路面電車(LRT)導入について、知事は講演で「可能性を追求したい」と述べたとの報道があった。しかし県民全体が必要感を持てるのか、本当に高齢者が利用するのか、多くの諸問題が横たわっていると危惧する。
 知事 LRTは市が検討している選択肢の一つであり、実現には市民や県民の理解、交通事業者との連携、整備運営の手法など多くの課題がある。公共交通の充実に向け、引き続き市の取り組みを支援していく。

2012年2月28日火曜日

職員費削減12年度打ち切り 県議会で知事が明言 (下野新聞 2月28日)


 27日の県議会代表質問で、自民、みんな、民主の3会派が厳しさを増す県財政運営をそろって取り上げた。 福田富一知事は2010年度から続けている職員費の5%削減を「約束だから(元に)戻さざるを得ない」として、当初の予定通り12年度で打ち切る考えを示 した。だが財源不足は拡大の一途。財政健全化の道筋を定めた「とちぎ未来開拓プログラム」の集中改革期間が12年度で終わるのを見越し、県議会では次期プ ログラム策定を探る動きも出てきた。
 「とちぎ行革プランに基づき、自立的な行財政基盤の確立に努める」。集中改革期間終了後の財政運営について、代表質問の先陣を切ったとちぎ自民党の三森文徳氏に対し、福田知事はそう答えた。
 みんなのクラブの高橋修司氏、民主党・無所属クラブの一木弘司氏はそろって次期プログラム策定の必要性を提言したが、知事の答弁は判で押したように行革プラン推進を強調、次期プログラムには一切言及しなかった。
 各会派が県財政に懸念を示すのは、12年度県当初予算案と同時に発表された中期財政収支見込みで、財源不足額が13年度に68億円、14年度に96億円、15年度には149億円と悪化する見通しが示されたためだ。
 県は現在、職員給与の5%削減で70億円の財源を生み出している。知事は、この日の答弁であらためてこの5%削減の打ち切りを明言した。13年度からはこの穴埋めに、職員の退職金を借金で賄う退職手当債の発行が柱となりそうだ。
 退職手当債はプログラム開始後2年間、封印してきた財源だ。12年度予算案には25億円計上しており、13年度以降は倍増が予想される。県の借金はその分積み上がり、財政の悪化が懸念される。

2012年2月22日水曜日

議員報酬5%減、1年延長可決 2月定例県議会が開会 (下野新聞 2月22日)


 2月定例県議会は21日開会し、福田富一知事ら県執行部は震災復興事業を柱とする総額7826億6千万円の2012年度一般会計当初予算案や11年度一般会計2月補正予算案など64議案と報告1件を提出した。
 11年度実施している議員報酬の5%削減を4月から1年間、12年度いっぱいまで延長する条例改正案が議員提案で提出され、全会一致で可決した。
 会期は3月23日までの32日間。代表・一般質問は2月27、28、29日の3日間で計11人が質問する。予算特別委員会の総括質疑は3月6、7の両日。常任委員会は同8、14、15日。

2012年2月16日木曜日

地域受け皿260人分不足 県、障害者支援体制拡充へ 12~14年度 (下野新聞 2月15日)


 地域で暮らす障害者の住まいとなるグループホームやケアホームは、県内で2014年度までに計260人分 が新たに必要となることが14日までに、県のまとめで分かった。居宅介護などの訪問系サービスを担う事業所は、133カ所が新規に必要となる見込み。県は 第3期障害福祉計画(12~14年度)で、入所施設からグループホームなどでの地域生活に移行する障害者を410人増やすことを目指し、施設整備を促すな どして支援体制の充実を図る。
 今後必要となる施設の定員や事業所の見込み数は、サービス事業者への意向調査などを踏まえた各市町による推計を積算した。
 グループホームやケアホームは、障害者が入所施設を退所し、地域で暮らす場合の主な受け皿となる。県内を六つに分けた障害保健福祉圏域別に見ると、県北で59人分の余裕がある一方、県南は198人分が不足する見込みで、地域差が大きい。
 自宅などで暮らす障害者向けの居宅介護、同行援護などの訪問系サービス事業所は、すべての圏域で不足する見込みで、45~8カ所の増設が必要となる。
 施設から地域生活に移行する障害者の目標数は、障害者と健常者が共に暮らすノーマライゼーションの考え方を背景に、第1期計画(06~08年度) から盛り込まれた。県内では、施設入所者が05年10月時点で2758人いたが、11年10月までに506人が地域生活に移行し、2期計画で目標とした 410人を上回った。第3期計画では、さらに410人の移行を目指す。

2012年2月15日水曜日

24時間訪問」足利のみ 県高齢者支援計画最終案 他市町は対応見送り (下野新聞 2月15日)


 県は14日、今後の介護保険サービスの利用見込みなどを市町ごとにまとめた県高齢者支援計画「はつらつプ ラン21」5期計画(2012~14年度)の最終案を県高齢者支援計画策定懇談会に示した。4月施行の改正介護保険法で新設される24時間対応の訪問介 護・看護について、利用者数の見込みを盛り込んだのは足利市のみ。その他の市町は見送った。
 県は「報酬や運営基準が固まっていない段階で、市町もサービス事業者も見通しを立てるのが困難だったのでは」とみている。
 最終案では、県全体で新たに2825人分の特別養護老人ホームと認知症高齢者グループホームを整備することなどを盛り込んだ。訪問看護やショートステイなどの主な在宅サービスの利用量は9~22%増を見込んだ。
 24時間対応の訪問介護・看護は、足利市が14年度に年間996人の利用者数を見込んでいるが、その他の25市町は「0」として計画化を見送った。

2012年2月8日水曜日

県議会、完全通年化へ 検討会で全会派合意 都道府県で全国初 (下野新聞 2月8日)


 県議会の「議会あり方検討会」(石坂真一会長)は7日、定例会を現行の年4回から1回にして会期を 1~12月とする「通年議会」を導入することで全会派が合意した。完全通年化が実現すれば、全国の都道府県議会で初めてで、2012年度中の導入を目指 す。今後は、常任・特別委員会や休会中の議員活動の在り方が議論の焦点となる。各会派は新制度導入に伴い、交通費などの「費用弁償」の支給を厳格化するこ とでも合意した。
 最大会派のとちぎ自民党は前回会合で、年3回の定例会議と年6回の臨時本会議を組み合わせた通年議会の試案を提示していた。実質的な活動日数は現行の117日から138日程度に増える。
 自民は「機動的な議会運営を目指す」として早期導入を目指しており、試案をベースに早ければ21日開会の2月定例会で関係条例を改正し、新年度から移行したい考えだ。
 通年議会は、災害などの非常事態に即応して会議を開けることや、知事専決処分が減り議会のチェック機能が働くなどの利点がある一方、経費増や担当 職員の負担増などの側面もあるとされる。都道府県議会では三重、秋田両県が定例会を年2回としているが、完全通年化した例はない。
 本県では現在、県議への費用弁償は本会議や委員会がない日でも、議案調査日として会期中なら一日当たり交通費の実費と、公務諸費3千円が支給されている。この日の検討会では、新制度導入後は議案調査日には支給しないことで合意した。

県一般会計当初予算、7826億円に 2年ぶり前年上回る (下野新聞 2月7日)


 2012年度県一般会計当初予算の規模は7826億円程度で、2年ぶりに前年を上回ることが6日、分かっ た。県議会各会派の予算要望に対する回答で福田富一知事が明らかにした。一方、県の借金に当たる12年度末の県債残高は4年連続で前年度を上回って過去最 高額となり、1兆1000億円を初めて超える見通しだ。
 一般会計の予算規模は前年度比で約172億円増える。県は「震災復旧・復興に積極的に対応したため」としている。震災や円高などの影響が懸念される県税収入は、前年度比5億円程度の減収にとどまり、2025億円を確保できる見通し。
 だが、11年度予算で2030億円を見込んだ県税収入は2000億円を確保できない見通しで、2月補正予算で35億円を減額補正する方針だ。
 12年度の県債発行額は1037億円。前年度より7億円減額となった。このうち670億円は地方が国に代わって発行する臨時財政対策債。12年度は前年度比で20億円減るが、引き続き多額の借金に頼らざるを得ない厳しい財政状況となっている。
 県の預貯金に当たる財政調整的基金は11年度末で297億円と、前年度の約1・36倍に増える。12年度当初ではこのうち87億円を取り崩して震災復旧・復興関係予算などに充てる予定。

2012年2月4日土曜日

小山市新年度予算、2%増の557億円 (下野新聞 2月4日)


 【小山】市は3日、市議会議員説明会で2012年度予算案を示した。一般会計の総額は557億7千万円。 消防庁舎建設などの大型社会資本整備事業が予算規模を押し上げ、本年度当初予算から2・0%増となった。財源は市税収入や国県支出金が落ち込む中、市債約 60億円で対応。一般会計の市債残高は、本年度から16億円増の500億円となる見通しだ。
 主な社会資本整備事業は、いずれも13年春から秋までに完成する消防庁舎建設(約14億6300万円)、城南地区中心施設(約7億1千万円)、城 山町3丁目の再開発マンション建設(約6億円)。17年度にも建て替えを見据える市庁舎建設基金の積立金も約2億円計上した。その結果、投資的経費は 26・1%膨らんだ。
 震災を踏まえた防災体制の強化や放射性物質調査も推進し、子ども対象の甲状腺検査を実施するための積み立て(約2400万円)を予算化。人件費や扶助費などの義務的経費は、子ども手当事業分の約10億円減などで5・2%減少した。
 歳入をみると、根幹となる市税収入は0・7%減。個人税と法人税は微増するが、固定資産税の評価替えや土地価格の下落で全体としては落ち込むと見込んだ。3年連続で地方交付税の交付団体となる見通しで、同税収入は18億円を想定した。

2012年2月2日木曜日