渡辺喜美氏が代表を務めるみんなの党が8日、結党2年を迎えた。昨夏の参院選で躍進し、今春の統一地方選でも本県などで勢力を伸ばした。国会では、独自の法案を次々出してアピールしているが、自民、公明両党の陰に隠れて存在感は薄れがち。今は法案提出などで政策力を蓄え、次期総選挙でキャスチングボートを獲得し、政界再編を目指す戦略を描いている。
「(4日の)市場介入など日銀の措置はほとんど効き目がない。日銀法を抜本的に変えることが必要だ」。5日午後、渡辺氏らは日銀法改正案など2法案を参院に提出した。
1月から始まった今国会で、みんなの党は独自の法案を8本、参院に提出した。昨夏の参院選で10人当選したため、単独での法案提出が可能になった。だが、審議に入った法案はなく、政策実現にはほど遠いのが実情だ。
ただ、東日本大震災後は、野党共同提案の法案が成立するなど、みんなの党の主張が政策づくりに反映されるケースも出てきた。同党の山内康一国対委員長は「審議には入れなくても法案を出せばメディアは取り上げてくれるし、旗を立てれば国民に知ってもらえる。審議もされない法案を出すのは無駄だととられるかもしれないが、後で必ず生きてくる」と意義を強調する。
■党首討論実現せず
参院選の成果で、党首討論に参加する「資格」も得た。ところが、実際には渡辺代表の党首討論は実現していない。
党首討論を行うには衆参いずれかの国家基本政策委員会に所属していることが条件。渡辺氏は所属していないため、1年前から民主、自民両党に所属を申し入れてきた。
だが、所属変更は可能であるにもかかわらず、受け入れられていない。山内氏は「入れてくれないのは国会のルール違反」と指摘。「代表にはインパクトがあるから嫌なんだと思う」と推測する。
震災後は民主、自民、公明の3党協議で法案を修正することが増えた。蚊帳の外に置かれている状況に、みんなの党幹部は「埋没していると言えばそうかもしれないが、密室談合政治は問題だ」と批判する。
■全都道府県に候補
今月1日、都内のホテルに同党の選挙区支部長が集まった。選挙のノウハウなどを伝える研修会で、次期総選挙をにらんだ選挙準備の一環だ。
目標の立候補者数は100人以上。北海道や中国、四国など同党の基盤が脆弱な地方で足場を築くことが課題の一つだ。幹部の一人は「候補者が一人もいない都道府県をなくす」としており、「政党の売りは政策と候補者。候補者の質と量を両方満たすよう努力を急がないといけない」と話す。
民主離れが進む一方、自民への支持も回復しきっていない。渡辺氏は「次の総選挙で、キャスチングボート勢力となれるようにする」と狙いを定める。
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