2011年12月30日金曜日

2カ月連続200万人割れ 12月の県人口 (下野新聞 12月29日)


 県県民生活部が28日までに発表した毎月人口推計によると、12月1日現在の県人口は前月比307人減の199万9665人(男99万3082人、女100万6583人)で、2カ月連続で200万人台を割った。
 出生から死亡を引いた自然動態は391人減、転入から転出を引いた社会動態は84人増だった。
 市町別では宇都宮、佐野、真岡、さくら、下野、上三川、市貝、壬生、高根沢の9市町で増加し、その他の市町では減少した。最も増えたのは宇都宮市の193人、最も減ったのは栃木市の163人だった。
 世帯数は75万1713世帯で、前月比316世帯増。15市町で増加し、最も増えたのは宇都宮市の106世帯だった。

2011年12月26日月曜日

本県など外国人誘客へ緊急対策 国の12年度予算案 (下野新聞 12月25日)


 2012年度予算案で、観光庁は東北6県と本県を含む北関東3県を対象に、インバウンド(外国人誘客)再 生緊急対策事業として6億2400万円を計上した。海外主要市場での風評被害の払拭と観光復興PRなどの緊急対策を実施する。東日本大震災後、外国人旅行 者の落ち込みが激しい東北と北関東の訪日需要回復に向け、国を挙げて取り組んでいく。
 震災と福島第1原発事故の影響で、東北と北関東の外国人旅行者は激減。同庁の宿泊旅行統計調査によると、9月の外国人宿泊者は東北6県で前年比72%減少、本県も43%減だった。
 各県とも風評被害対策と外国人の誘客などを国に求めており、本県の福田富一知事も溝畑宏観光庁長官に直接、支援を要請している。データ的にも観光業の厳しい状況が裏付けられていることから、予算化した。
 具体的には、在日公館などと連携し、東北・北関東の自治体や観光事業者らが海外主要市場で現地旅行会社と直接商談できる場を設けるほか、海外消費者に直接観光復興をPRする場を提供する「商談会・観光キャラバン」を実施する。
 また、海外の現地旅行会社やメディアを招請して東北・北関東の魅力をPR。安全・安心情報や、特に優れた観光地・施設を掲載する「東北・北関東ガイドブック」も作成する。
 このほか、訪日した外国人旅行者に観光地の安全・安心や魅力を発信してもらい、優れた発信に対しては表彰などを行う。さらに、情報発信の手段とし て会員制交流サイト(SNS)などを活用した場合の効果も検証する。同庁は「さまざまな施策を組み合わせて、総合的に取り組みを進めていく」としている。

2011年12月23日金曜日

本県の「小水力」特区指定へ 政府方針 (下野新聞 12月22日)


 政府が、地域限定で規制を緩和し予算や税制の面でも優遇する「総合特区」に、全国33地域を指定する方針 であることが21日分かった。特区のうち、国際競争力を高める拠点づくりを目指す「国際戦略総合特区」には7地域を選定。地域の活力を高める「地域活性化 総合特区」には、小水力発電の活用を軸とした本県の「栃木発再生可能エネルギービジネスモデル創造特区」など26地域を選んだ。
 これとは別に環境負荷の少ない街づくりを目指す「環境未来都市」として、東日本大震災で被災した6地域を含む11地域を指定。いずれも22日に開く国家戦略会議で公表する。
 政府は昨年6月に決めた新成長戦略の地域再生支援の柱として総合特区と環境未来都市の構想を打ち出した。総合特区全体で2015年度に9兆1千億円の経済効果と36万5千人の雇用創出効果を見込んでいる。
 国際戦略特区は、北海道などの「北海道フード・コンプレックス特区」、茨城県などの「つくば特区」、神奈川県などの「京浜臨海部ライフイノベー ション特区」、愛知県などの「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」、京都府や大阪府などの「関西イノベーション特区」、福岡県などの「グリー ンアジア特区」など。
 国際戦略特区では、投資額の15%を法人税額から差し引いたりする優遇措置などが利用できる。
 地域活性化特区は、秋田県や新潟県長岡市、静岡県、兵庫県、広島県などが指定される。事業者に出資した個人を対象に税を軽減し事業者を支援する。
 環境未来都市は、次世代送電網(スマートグリッド)など環境関連の施設整備に予算を集中投入する構想。被災地では、岩手県釜石市や宮城県東松島市、福島県南相馬市などが選ばれた。このほか、千葉県柏市や富山市、北九州市なども指定される。
 「栃木発再生可能エネルギービジネスモデル創造特区」は、那須塩原市、宇都宮市、塩谷町の農業用水路に発電施設を設け、年間700万キロワット時 の売電を目指す。下野新聞社の取材に対し、吉沢崇県農政部長は「まだ正式な連絡はないが、認められたようでほっとしている。中身が具体的だったところが評 価されたと思う。再生可能エネルギー普及の起爆剤となることが期待される」と語った。

2011年12月15日木曜日

震災補正464億円に 県、92億円を追加計上 (下野新聞 12月14日)


  県経営管理部は13日、2011年度一般会計12月補正予算案について、震災復旧・復興事業関連で総額92億5700万円を追加計上すると発表した。国の 第3次補正予算に呼応したもので、学校給食用食材の放射性物質検査機器の購入費などを盛り込んだ。県議会12月定例会最終日の14日に追加提案し、常任委 員会での審議を経て採決される。震災関連費の補正予算計上は本年度8回目で、総額は464億600万円に上る。
 12月補正予算案は合計232億6200万円。補正後の一般会計予算額は8204億1700万円で前年同期比0・4%(32億8100万円)増となる。
 給食用検査器は、文部科学省が示した「目安」に基づき、1キログラム当たり40ベクレルから放射性物質を測定できる機器を5台購入する。費用は1台約300万円。河内、上都賀、芳賀、下都賀、那須の5教育事務所への配備を検討しており、12年4月から測定を始める。
 当初12年度までだった緊急雇用創出事業が震災後の雇用情勢の悪化で3年間延長されたたことを受け、同事業の臨時特例基金の積み増し分として58億9100万円を計上した。
 また、停電時に自動点灯する信号機の整備や発光ダイオード(LED)化など信号機の停電・節電対策として2億9200万円を盛り込んだ。
 震災関連以外も含めた本年度の補正予算総額は計550億3700万円。県は1993年度に9回、98年度に8回の補正予算を組んでいる。

通年議会焦点に議論開始 県議会検討会 年度内に結論まとめる (下野新聞 12月13日)


県議会の「議会あり方検討会」(石坂真一会長)は12日、実質的な初会合を開き、検討テーマとして「会 期」「委員会」の2点を提示、本格的な議論がスタートした。2012年3月までに結論を出す。会期については最優先で議論する方針。会期を1年間とする通 年議会にするか、現行4回の定例会を統合し、回数を減らして会期を長くする形とするのかが焦点となりそうだ。
県議会事務局によると、定例会を通年化している市町村議会は一部にあるが、都道府県議会はない。だが4回の定例会を条例改正により3回にした大 阪、神奈川の府県議会、2回にした三重、秋田両県議会の例がある。「十分な議論時間を確保し、緊急時にも時機を逸することなく会議を開催する」(神奈川) などが改正の理由だ。
見直しの結果、各府県議会では会期が42~135日間も増加。実質的な活動日数も35~39日間増えている(秋田は調査中)。議員報酬、政務調査費は据え置きのままだ。
見直しのメリットとして「審議時間を十分に確保できるようになり、参考人制度や公聴会の活用が容易になった」(秋田)などの意見がある。一方で「議会事務局職員の負担が大きくなった」(三重)などとデメリットを指摘する声もある。
この日の検討会では、最大会派のとちぎ自民党から「会期については、4府県の事例を参考に問題点を抽出しやすい。優先的に答えを出したい」との意見が出された。次回会合までに各会派が案を持ち寄る。
通年議会については、自民、民主、公明の3党が今年4月の県議選で地域公約集に盛り込んでいた。
一方、委員会の在り方については、一般質問と内容が重なりがちな予算特別委員会の質問方式が主な議題となる。予算特別委は、常任委員会での分割審 査による予算審査を見直す目的で2008年度から始まった。県政の重要課題や部局横断的な課題を取り上げることになっているが、最近はこの趣旨から外れた 質問も少なくない。

2011年12月11日日曜日

1.9%増の平均80万7253円 県職員冬のボーナス支給 (下野新聞 12月10日)


 国、県などの公務員に9日、冬のボーナス(期末・勤勉手当)が支給された。県人事課によると、教職員、警察職員を含めた県職員約2万5400人の平均支給額は80万7253円(平均43・3歳)で、昨冬比1・9%(1万5064円)増となった。
 夏と冬を合わせた年間支給月数は前年と同じ3・95カ月だが、前年の配分は夏が1・95カ月、冬が2カ月だったのに対し、今年は夏が1・9カ月、冬が2・05カ月だったため、冬のボーナスが増額となった。
 同様の理由で福田富一知事への支給額が昨冬比3・3%(7万4820円)増の231万9420円、神谷幸伸県議会議長は同3・0%(7万1775円)増の222万5025円だった。

2011年12月3日土曜日

75億円超の補正予算編成へ 県、国の3次補正に呼応  (下野新聞 12月3日)


 県は2日、国の第3次補正予算成立に呼応した一般会計補正予算案を新たに編成する方針を明らかにした。予算規模は少なくとも75億円に上る見込み。12月定例会の会期中に提出する。
 早川尚秀氏(とちぎ自民)の県議会代表質問に福田知事と佐藤順一副知事が答えた。佐藤副知事は「現時点で国から内示があった分」として、防災・震 災対策の公共事業費が事業費ベースで約17億円、緊急雇用創出事業臨時特例基金の積み増し分が約58億円あることを明らかにした。これ以外は現時点で不 明。
 県が本年度に入ってから補正予算を編成するのは、これで8回目。今議会でも約140億円の一般会計補正予算案を提出している。

2011年12月1日木曜日

県議会12月定例会開会 質問戦は2、5、6日 (下野新聞 12月1日)


 県議会12月定例会は30日開会し、福田富一知事ら県執行部は、40億円の震災復興推進基金創設などを盛り込んだ総額140億456万円の2011年度一般会計12月補正予算案など28議案、報告1件を提出した。
 このうち県教育委員会委員に広瀬隆人氏(55)=宇都宮市、宇都宮大教授=を再任する人事案と、県収用委員会委員に阪口勉氏(59)=宇都宮市、 弁護士=、森田信征氏(68)=栃木市、不動産鑑定士=をそれぞれ再任、橋本良男氏(65)=宇都宮市、元県企画部長=を新任する人事案を即決。
 また県職員給与の一部改定に関する条例案など2議案と、議員提案の「議会あり方検討会」の設置も全会一致で可決。9月定例会に提出され継続審議となっていた10年度決算認定7件も可決した。
 会期は14日までの15日間。代表・一般質問は2、5、6日の3日間で計11人が質問する。

2011年11月25日金曜日

12月定例県議会、30日開会 代表・一般質問は12月2、5、6日 (下野新聞 11月24日)


 県議会は24日、議会運営委員会(石坂真一委員長)を開き、12月定例会の会期を30日から12月14日までの15日間とすることを決めた。
 福田富一知事ら執行部は、総額140億456万円の2011年度一般会計12月補正予算案など28議案、報告1件を提出する考えを示した。代表・一般質問は12月2、5、6の3日間行われ、計11人が質問する。

2011年11月24日木曜日

震災復興へ県民会議 風評被害対策など検討 県が来月 (下野新聞 11月23日)


 県は22日、第6回震災復興推進本部会議(本部長・福田富一知事)を開き、県内の観光や農商工業の復興推 進を図る「県観光振興・復興県民会議」を12月に設立することを決めた。福田知事は同日の定例記者会見で「誘客対策や風評被害対策はオール栃木での態勢が 必要」と述べた。県内の農商工業関係者や金融機関、交通事業者などに参加を呼び掛け、復興に向けた方策を産業界を挙げて探る。
 商工関係の問題で県が県民会議を立ち上げるのは、足利銀行の一時国有化対策で2004年1月に設立した「緊急経済活性化県民会議」以来。来月中旬に設立総会を開き、観光を軸にした県内農商工業の復興、風評被害対策などに取り組む。
 会議は数十人規模となる見通しで、経済団体や農業・観光団体、市町の代表らが参加する見込み。情報交換だけでなく、具体的な取り組みや提言なども行うほか、会議での議論を踏まえた国への要望、県民への呼び掛けも想定される。
 福田知事は会見で、東日本大震災以降の経済情勢について「足銀の一時国有化は本県経済の激甚災害と言う人もいたが、今はそれ以上の状況」とした上で「風評被害は数年続くかも知れない。オール栃木で難局を乗り切りたい」と述べ、会議に期待感を示した。
 県産業労働観光部によると、県内観光地の宿泊客数は4月に前年比9割減まで落ち込んだが、その後は回復傾向にある。ただ今秋はまだ例年の8割ほどで、回復具合は地域や旅館ごとにばらつきがみられるという。

2011年11月19日土曜日

山岡氏問責は時期尚早 みんなの党・渡辺氏 (下野新聞 11月18日)

 みんなの党の渡辺喜美代表は18日の定例記者会見で、自民党が会期内の提出を検討している山岡賢次消費者行政担当相への問責決議案への対応について、「まだまだ追及が足りないのではないか」と述べ、時期尚早との認識を示した。

震災復興基金に40億円 県12月補正案は140億円 風評被害など対応へ (下野新聞 11月19日)


 県経営管理部は18日、2011年度一般会計12月補正予算案について、総額140億456万円を計上す ると発表した。東日本大震災からの復興に向け、国からの特別交付税を活用して40億円の基金創設。市町と一体となって経済対策や風評被害対策などに取り組 む。補正後の一般会計予算額は8111億5995万円で前年同期比0・7%(59億7600万円)減。
 同部によると、補正予算で震災関連費用を計上するのは本年度7回目で、総額は371億4900万円。
 県が創設する「東日本大震災復興推進基金」は、復興に向け今後5~6年間、県や市町が独自に行う事業で活用する。住民生活の安定や経済対策、災害に強い地域づくりなどの事業に充てる考えだ。県は今後、具体的な使途について検討する。
 補正予算案の内訳は震災対応分として47億2500万円。橋脚の一部が損傷し通行規制が続く大田原市の那珂川に架かる湯殿大橋の改修や、真岡市の 「井頭公園一万人プール」の復旧、県立美術館の絵画など県指定文化財の補修などを行う。汚染された稲わらなどの放射性物質対策としては、総額約4億3千万 円を計上した。
 一方、震災対応以外としては92億7千万円を予算化。9月の台風被害を受け、さくら市のお丸山公園や鹿沼市の県道の復旧工事費を計上した。また県グリーンスタジアムの観客席をJ1仕様に改修する工事費に6700万円を盛り込んだ。
 補正の主な財源は地方交付税や国庫支出金。県債は13億8900万円を発行する。

2011年11月18日金曜日

県税収1075億円、平成で最低 本年度上半期 震災が財政を直撃 (下野新聞 11月18日)


 2011年度上半期(4~9月)の県税収入は、前年同期比3・5%(39億円)減の1075億5600万 円だったことが17日、県経営管理部のまとめで分かった。東日本大震災の影響などで企業業績や個人消費が落ち込んだことが主な理由。平成に入った1989 年以降では最低額で、震災が県財政にも影を落とした。下半期も円高やタイの洪水など企業業績の足を引っ張る要因があり、震災前に策定した本年度予算額 (2030億円)を達成できるかは不透明だ。
 平成以降では、これまで1994年度上半期の1111億2600万円が最も低かった。本年度はこれをさらに下回り、1100億円台を初めて割った。
 本年度上半期の県税収入を税目別にみると、最も多い自動車税が0・5%減の348億2100万円、個人県民税が3・5%減の254億8千万円、法人事業税が2・9%減の164億8千万円。
 不動産取得税は22・6%減の21億7千万円、地方消費税は11・4%減の91億900万円と、いずれも大幅に落ち込んだ。震災で土地・家屋の購 入や個人消費が落ち込んだためとみられる。一方、前年を大幅に上回ったのはたばこ税で、23・3%増の24億8800万円。昨年10月に実施された増税の 効果が出た。
 10年度の県税収入は、企業業績の回復を受け、当初予算(1945億円)を大きく上回る2051億円を確保した。県は、11年度も回復基調が続くとみて、ほぼ前年度並みの税収を見込んだが、震災で状況は一変した。
 上半期の実績は、すぐに予算の減額補正が必要なほど急激な落ち込みではなかったが、輸出関連企業の多い本県にとって、長引く円高や長期化するタイ の洪水被害は税収面からも大きな懸念材料だ。県税務課は下半期について「(震災、円高、洪水など)昨年に比べ不安要素が多い」と厳しい認識を示している。

東電損賠 本県初、牛肉に本払い9千万円 (下野新聞 11月17日)


 東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会(会長・高橋一夫JA栃木中央会長)は16日、県協議会が請求していた肉牛の損害のうち、市場価格下落分の約9012万円が東電から本払いされた、と発表した。本県への本払いは、全ての農畜産物で初めて。
 支払われたのは、これまで県協議会が7次にわたって行った請求のうち6~8月の3~5次分で、合計請求額は約1億6996万円。4月末までの損害が対象となっている。
 支払額の内訳は3次が約6578万円(請求額約9105万円)、4次が約252万円(約5509万円)、5次が約2182万(約2381万円)。県協議会によると、3次請求はJA系統の農家、4、5次請求はJA系統外の農家の損害が中心だという。
 未払い分は肉牛が死んだことによる損害で、東電の検証作業が終わり次第、支払われる予定。
 東電は当初、県協議会に対し5次請求までに対する支払いは10月末に終えるとしていたが、検証作業が大幅に遅れているため、野菜、花きなどの仮払いのみにとどまっていた。肉牛農家の損害が深刻なため、検証が終わった市況価格下落分が先行して支払われることになった。
 県協議会は「請求額全額の早期支払いを引き続き求めていく」としている。

2011年11月15日火曜日

フードバレー「落選」 県の特区構想、最終選考外れる 小水力発電は通過 (下野新聞 11月15日)


 地域限定で規制を緩和する国の総合特区制度で、県が特区指定を申請した2件の構想のうち、小水力発電の普及を柱とする「栃木発再生可能エネルギービジネスモデル創造特区」が1、2次評価を通過、最終選考に残ったことが14日分かった。
 県によると、小水力発電関連は群馬県や長野県飯山市などからも申請があったが、最終選考に残ったのは本県だけで、最も高い評価となり、特区指定の 可能性が高まった。民間資金を活用する点や、新たな地域産業の創出、中山間地域の活力向上などが期待できる点が評価されたという。
 一方、食に関する産業の集積・振興を図る「フードバレーとちぎ特区」は「事業が総花的で課題設定が概括的過ぎる。農業をどう強化するのか見えてこ ない」など厳しい評価を受け、落選した。県は「規制緩和の提案が具体的でなかった」などと受け止め、内容を練り直した上で来年度以降再申請する方針だ。
 総合特区の指定までには、書類審査による1次から最終まで3段階の評価が行われる。有識者の検討会による2次評価を突破したのは申請計88件のう ち半数弱の41件だった。3次評価は有識者によるヒアリングで、最大の関門。本県のヒアリングは今月25日に行われる。県は「小水力発電の実現性は高く、 専門家に重要性をアピールしたい」としている。
 政府は、ヒアリングを踏まえた有識者による推薦を受け、年内に特区を指定する予定。 

2011年11月9日水曜日

改革検討会、今月末に設置 県議会 (下野新聞 11月9日)

 県議会は9日、各派代表者会議を開き、議会改革を協議する「議会あり方検討会」を12月定例県議会開会予定日の 今月30日に設置することを全会派一致で合意した。当面の設置期間は2012年3月末までとし、通年議会の導入や議会基本条例の制定、委員会運営の改善策 などを検討項目とする。今年4月の県議選で各党・候補が競った議会改革が具体化に向け動きだす。

2011年11月3日木曜日

暮らし「悪くなる」3年ぶり増 2011年度県政世論調査 震災後、50歳以上に将来不安 (下野新聞 11月3日)


 今後の暮らしについて「悪くなっていく」と感じている県民は42%に上り、3年ぶりに前年を上回ったこと が、県県民生活部が実施した2011年度県政世論調査で分かった。特に50歳以上の男性は過半数が将来に不安を感じている。東日本大震災による企業業績の 悪化や先行き不透明感、今春の年金制度見直し論議などが背景にあるとみられる。
 調査結果によると、今後の暮らしが「悪くなっていく」と回答した人は前年より2・6ポイント増えた。08年度は米サブプライムローン問題に端を発した世界同時株安などを背景に53%が将来不安を感じていたが、09年度以降2年連続減少していた。
 「悪くなっていく」と回答した人は男性が47%と女性(38%)を上回った。男性では50歳代で52%、60~64歳で54%など年齢が上がるほど増える傾向にあった。
 一方、県政への要望(複数回答)は「高齢者福祉対策」が57%と2年連続トップ。以下、「医療対策」(54%)、「雇用の安定と勤労者の福祉」(50%)と続いた。
 震災を背景に「防災対策の推進」が前回18位から9位(27%)、「資源エネルギー対策」は同29位から10位(22%)と急上昇した。このほか食の安全性に関する質問に対し、不安に思うものとして「放射能」を挙げる回答もあった。
 調査は5~6月にかけて実施。20歳以上の県民2千人に郵送でアンケートを行い、1363人から回答を得た。回答率68・2%。

2011年11月2日水曜日

歳出カット やる気追及 渡辺代表代表質問 (下野新聞 11月2日)


 みんなの党の渡辺喜美代表は1日、衆院本会議で代表質問を行い、国会議員の歳費カットや民主党が掲げた国家公務員の人件費2割削減、第3次補正予算案と復興財源などについて野田佳彦首相の考えをただした。
 渡辺氏は「東日本大震災特例の国会議員給与カットは期限切れで終わり。今国会中に国会議員歳費をカットする気があるのか、ないのか、どっちなのか」と迫った。首相は「国会議員歳費は国会で各党各会派の議論で決定されるべき問題」などと答えた。
 第3次補正予算案の提出時期ついては「首相は増税プランが固まらなければ本格予算を組めないという路線に乗り、復興を遅らせた。責任をどう考える か」と追及。建設凍結が決まった国家公務員宿舎朝霞住宅(埼玉県朝霞市)については「『真に必要』と言っていたが、再び凍結した。また解除するのか。この 場で中止と明言したらどうか」と迫った。
 首相は「中止を含めて、(財務省の国家公務員宿舎の削減のあり方)検討会に判断を委ねたい」と答えた。
 渡辺氏は本会議後、記者団に「言葉遣いは丁寧だが中身はない。肝心要の所は逃げて答弁する。そういう所だけは上手だ」と批判した。

2011年11月1日火曜日

高速無料開放求め県に要望書 県議会・みんな (下野新聞 11月1日)


 県議会会派のみんなのクラブ(阿久津憲二代表)は31日、県内の東北自動車道、北関東道の無料開放をNEXCO東日本に要望するよう求める緊急要望書を福田富一知事に提出した。
 国土交通省は10月、東北地方の高速道路で12月から新たな無料化を始めると発表した。
 要望書では、無料化の目的の一つが被災地の観光振興であるにもかかわらず、「特定被災地域」の市町がある本県が対象外だと指摘。本県を無料開放の対象にするよう、国に働きかけることなどを求めた。

2011年10月30日日曜日

地域医療再生交付金、小山市など7事業不採択  (下野新聞 10月29日)


県が28日提示した新たな地域医療再生臨時特例交付金の配分額見直し案では、計画期間の2013年度まで に着手が困難な事業を中心に7事業が不採択となった。国の有識者会議で厳しい評価を下された事業は、配分額が軒並み減額された。同会議で高評価だった栃木 市3病院の統合再編計画が「緊急性・重要性が高い」として、要望額の76%が配分されたのとは対照的だ。
小山市民病院の移転新築を計画している小山市は、同計画に関連する3事業を県に提案したが、看護専門学校整備支援と同病院移転後の跡地を老人保健 施設に改修整備するなどの2事業が不採択となった。もう一つの事業も1千万円以上減額され、配分額は1億5700万円と要望額の14%にとどまる。
いずれも国の有識者会議で厳しい評価だった事業だ。県庁でこの日開かれた説明会に出席した小山市の担当者は、取材に対し「ゼロ査定が二つも…。こ れから検討し直さなければ」と絶句。同市の大久保寿夫市長は「県の責任で別途補助金を確保してくれるものと確信している」とのコメントを発表した。
一方、県は同日、小山市民病院の移転新築計画には2009年度の地域医療再生基金から8億円配分することを決めた。同基金から5億円を配分する栃木市3病院の統合再編とのバランスを考慮したとみられる。
このほか不採択となったのは、県立岡本台病院の精神科救急医療システム整備など県提案の3事業、私的病院協会提案のメディカルクラーク(医療事務 作業補助者)雇用支援事業、自治医大提案のドクターヘリポート施設整備支援事業。国の有識者会議では、計画の熟度や他の医療機関との公平性が問われてい た。

2011年10月26日水曜日

「広域連合」は見送り 関東知事会、国の権限移譲は広域連携で (下野新聞 10月26日)


 関東地方知事会議(会長・横内正明山梨県知事)が25日、福田富一知事をはじめとする10都県の知事が出 席して都内の都道府県会館で開かれ、国の出先機関廃止に伴う権限移譲の受け皿として検討してきた関東地方の「広域連合」を見送ることで合意した。国からの 移譲対象事務の受け入れは、都県単独や複数都県による広域連携を基本とし、「広域連合」などの枠組みについては国の動向を踏まえ、あらためて検討するとし ている。
 同知事会は、国の出先機関廃止による受け皿づくりに向けた協議会を昨年設置し、検討を続けてきた。提案した当時の会長の松沢成文前神奈川県知事は、広域連合の設立に強い意欲をみせていた。
 だが検討の結果、広域連携による受け入れを基本とすることで合意した。広域連携で処理することが困難な事務・権限への対応については、出先機関の廃止が具体的になった段階で検討するとした。
 同知事会は国に対し、受け入れ主体を広域連合に限定せず、都県単独や広域連携でも可能とすることなどを要請することも決めた。
 福田知事は今回の検討結果について「事務的に合意が難しい項目が多くあって連携という緩めた形になった。国は関東知事会の要望の趣旨をしっかり受け止め、広域連合にとらわれず、できることから移管するよう真摯な対応をお願いしたい」と話した。

県職員給与0・3%引き下げ 県人事委勧告 4億6千万円の歳出削減に (下野新聞 10月25日)


 県人事委員会(平間幸男委員長)は24日、2011年度の県職員の平均月給を0・3%(1167円)引き 下げ、ボーナス(期末・勤勉手当)支給月数を3・95カ月に据え置くよう福田富一知事と県議会に勧告した。勧告が実施されれば、行政職(平均44・1歳) の平均年収は、財政再建の一環で実施済みの給与カット分と合わせて602万1584円に引き下げられる。
 同委員会は6月下旬~8月上旬、従業員数50人以上の県内169事業所を無作為に抽出。協力を得られた144事業所の給与を調査し、県職員の給与と比較検討した。
 その結果、「とちぎ未来開拓プログラム」に基づき10~12年度に実施する県職員給与の一律5%削減分を加味せずに比較した場合、県職員給与が民間給与の水準を上回ったため、引き下げ勧告を行った。ボーナスは県職員と民間が均衡しており、据え置きとした。
 引き下げ対象は原則40歳以上で、50代は最大で0・5%引き下げられる。30代以下は民間との差がないため、据え置きとした。
 平均月給の引き下げ勧告は3年連続で、ボーナスの据え置き勧告は3年ぶり。県人事課によると、勧告が実施されれば約4億6千万円の歳出削減が見込まれるという。

2011年10月21日金曜日

TPP反対で3100人集会 宇都宮 (下野新聞 10月20日)


 環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加に反対するJAグループ栃木などで構成する実行委員会は20日、宇都宮市のマロニエプラザで「TPP交渉への参加阻止県民集会」を開いた。
 約3100人が参加。高橋一夫実行委員長(JA栃木中央会長)は「十分な議論がないまま拙速に交渉へ参加することは、断固として阻止しなければならない」とあいさつ。野田首相に、交渉参加見送り決定を求める特別決議を採択した。

2011年10月19日水曜日

国から本県に40億円 復興基金創設へ (下野新聞 10月18日)


 川端達夫総務相は17日の記者会見で、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島、栃木など9県が復興基金 を創設できるよう、総額1960億円を特別交付税として12月ごろに配分すると発表した。規模は阪神大震災復興基金(約960億円)の2倍超。地域が独自 に実施し、国の補助制度がない被災者支援事業などに活用される見通しだ。
 川端氏は今回の配分で約10年間はさまざまな事業の実施が可能になるとの認識を示した上で「今後の展開を見て、さらなる対応も検討したい」と述べ、必要に応じて配分額を積み増す考えを示した。
 配分額は被害の大きい東北3県に手厚くし、宮城660億円、福島570億円、岩手420億円、他の6県は140億~10億円で、本県は40億円。市町村には各県から配分する。使途は自由だが、震災孤児ら災害弱者の支援や商店街の活性化、災害の伝承事業などが想定される。
 同基金は、プールした資金を必要に応じて取り崩す仕組みで、年度に縛られずに使える利点がある。阪神大震災の際は、資金の運用益で事業を実施する「運用型基金」の創設を交付税で支援したが、今回は低金利で運用益が見込めないため、方式を変更した。
 被災自治体が創設する基金への財政支援は、片山善博前総務相が7月に表明。今回の配分額は、第2次補正予算で増額した特別交付税約4600億円の一部を充てる。
 栃木県と県議会、市長会、町村会など6団体は今月7日、復興基金の対象に本県も含めるよう総務省などに要望していた。特別交付税の配分対象に本県 が加わったことについて、県経営管理部幹部は「政府に要望したかいがあった」と胸をなで下ろした。使途は現行制度から漏れた個人の住宅再建の利子補給や、 震災を原因とする地域振興策などを検討しているという。

2011年10月16日日曜日

街頭演説を行いました。(小山駅前 10月15日)

雨の降る中、小山市議2名とともに駅前に立ちました。私たちの熱い想いを今後も訴えてまいります。よろしくお願い申し上げます。

2011年10月15日土曜日

県単公共事業12・5%減 県が来年度予算編成方針 復興と財政両立目指す (下野新聞 10月15日)


 県経営管理部は14日、2012年度当初予算の編成方針をまとめ、各部局に通知した。予算要求基準として は、県財政健全化の道筋を定めた「とちぎ未来開拓プログラム」に基づき、県単公共事業、学校建築費、交通安全施設整備費を11年度当初予算比で約12・ 5%削減するとした。前年度要求基準の約11%削減を上回るが、一部の震災復興関連事業に関しては別枠で対応する方針も示した。
 東日本大震災からの復興への取り組みを積極的に進める一方で、同プログラムの財政健全化路線の継続を明記。また、2年目を迎える重点戦略「新とち ぎ元気プラン」(2015年度まで)に掲げた県民の安全・安心確保などの取り組みを着実に進めるため、同プランの重点事業には「知事政策枠」を設ける。
 県が自由に使える一般財源の予算額は、11年度比4億円増の5190億円を見込む。県税収入は、11年度の2030億円と同額と試算した。県財政課は「震災で法人税が落ち込む見通しがある一方、扶養控除の廃止で住民税が増える可能性がある」とみている。
 県債は11年度比23億円増の1067億円を見込む。このうち臨時財政対策債は35億円増の735億円。それでも80億円の財源不足が生じる見通しで、予算編成作業では歳出・歳入全般にわたる徹底した見直しが求められそうだ。

2011年10月13日木曜日

9月補正など可決 県議会予算特別委(下野新聞 10月13日)

 県議会予算特別委員会(高橋文吉委員長)は12日、66億9924万円の2011年度一般会計補正予算案など8議案を原案通り可決した。14日の本会議に報告され、可決される見通し。 

2011年10月12日水曜日

総合政策部「企画形」に 県議会検討会が正副会長案 (下野新聞 10月12日)


 県議会の行政機構調査検討会(板橋一好会長)は11日、県の組織見直しについてこれまでの議論を踏まえた 正副会長案を提示した。筆頭部の総合政策部を調整型から企画立案機能を重視した組織に整備するほか、東日本大震災の経験を踏まえ、災害担当の危機管理監の 権限を強化することなどを求めている。
 正副会長案は検討事項を(1)早期実施(2)早期見直しに着手すべき(3)引き続き見直しを行う必要がある(4)今後の課題-の四つに分類。総合政策部の機能強化は「知事のトップマネジメント機能を強化するため」として、早期実施を求めた。
 経営管理部の一組織である行政改革推進室については、総合政策部への移管や知事直轄部門とすることなどの検討を促した。また、危機管理監の権限強化は早期見直しに分類。現行の部局から独立させることも求めている。
 これまでの議論で焦点の一つとなっていた企画・財政部門の一体化については、方向性を出さずに今後の課題とした。
 現在は県民生活部に置かれている危機管理監については、みんなのクラブから「総合政策部の地域振興課においてはどうか」との意見が出た一方、とちぎ自民党は「震災の検証を待って、将来に見直しの余地を残すべきでは」と主張した。

2011年10月11日火曜日

県の民間賃貸借り上げ950件 県の震災避難者支援 (下野新聞 10月10日)


 東日本大震災に伴う福島県などからの避難者を対象に、民間賃貸住宅に入居する際の費用、家賃を支援する本 県の借り上げ制度(応急仮設住宅)の利用申請は1078件あり、このうち約950件が認定される見通しであることが9日までに、県消防防災課のまとめで分 かった。県は本年度中に掛かる関係経費として、9月補正予算案に約8億円を計上している。
 申請受け付けは7月1日から始め、9月30日に締め切った。県内のホテルなどに避難中の人に限り、今後も受け付ける。
 民間賃貸住宅の敷金、礼金、仲介手数料のほか毎月の家賃を月7万円まで、5人以上の入居は月9万円まで支援する。借り上げ期間は最長2年間。
 一方、県内で住宅が全半壊した世帯に最大300万円が支給される被災者生活再建支援金は10月7日現在、17市町で566件の申請があり、544件が支給された。
 申請が最も多いのは高根沢の120件、次いで那須烏山市77件、宇都宮市69件。東日本大震災に伴う基礎支援金の申請は2012年4月10日までできる。
 生活再建支援金は、都道府県の拠出金と国の補助が原資となっている。今回の震災に伴う拠出金として、県は9月補正予算案に約5億3千万円を計上した。

2011年10月9日日曜日

「潔白なら国会で証言を」 小沢氏初公判で、みんな・渡辺代表 (下野新聞 10月7日)

 みんなの党の渡辺喜美代表は6日の定例記者会見で、民主党の小沢一郎元代表の初公判について「いつまで世間を騒 がせているのか。早く国会に出てきてきちんとけじめをつけることが肝心。けじめのなさに国民は怒っているんだと思う」と指摘した。さらに小沢氏が無罪を主 張したことには「潔白だというのであれば、堂々と国会で証言されるべきだ。国会で真相を明らかにすることが、国民に対するけじめだと思う」と述べた。

2011年10月7日金曜日

台風15号災害を契機とした、安全、安心な栃木県づくりに向けての要望書の提出について

平成23年10月4日、知事に対し9月21日に本県に直撃し大きな被害を残した台風15号の災害を 踏まえ、県民が安心、安全に暮らせる環境を整備していくための要望書を提出いたしました。
http://www.lannetbiz.net/t-shuji/gikai.html

台風15号で県、農漁業被害に特別措置 (下野新聞 10月6日)


 先月20、21日の台風15号による風水害で県は5日、鹿沼市の農作物や農業用施設の被害に対し、県農漁業災害対策特別措置条例を適用した。
 農作物計13品目や家畜、施設の被害に県と同市が、生産を維持するための助成措置を実施。被災者が災害経営資金、施設復旧資金を借り入れた場合は県、同市、農業団体が利子を補給する。
 台風15号による農業関係の被害は、全県で1億8058万に上り、鹿沼市内は4223万円だった。
 被害作物、施設などは次の通り。
 【農作物】ナス、コンニャク、スプレー菊、ニラ、イチゴ苗、リンゴ、水稲、ネギ、ソバ、キュウリ、ブロッコリー、大豆、枝豆
 【家畜・魚介類】鶏(採卵鶏)、ニジマス、サクラマス、ヤシオマス、ヤマメ
 【施設】パイプハウス、鉄骨ハウス、牛舎バルククーラー、防ひょう網、養殖池

2011年10月6日木曜日

高齢者見守りネット県内17市町で発足 7市町は年度内発足目指す 17日にフォーラム (下野新聞 10月6日)


 市町と住民、福祉などの関係機関が連携し、一人暮らしの高齢者らを見守る「高齢者見守りネットワーク」 が、ことし5月末時点で県内17市町で発足したことが県のまとめで分かった。他の7市町も年度内をめどに準備を進めており、大半の市町で整いそうだ。県は 「見守り活動は住民の理解と参加なしには進められない」とし、17日に宇都宮市内で「地域支え合い体制づくりフォーラム」を開き、県内全域での活動推進を 図る。
 見守りネットワークは、見守りが必要な対象者の台帳を、市町や配達業務の傍ら協力する業者など関係者が共有し、訪問や声掛けを行う。異変がある場合、地域包括支援センターなどの関係機関に連絡する仕組み。
 既にネットワークを発足した市町は宇都宮、栃木、佐野、鹿沼、日光、小山、真岡、大田原、さくら、那須烏山、下野、益子、芳賀、壬生、野木、塩谷、高根沢の17市町。
 矢板、那須塩原、上三川、茂木、市貝、那須、那珂川の7市町も年度内のスタートに向け準備を進めている。足利、岩舟町も検討を始めている。
 見守り活動は、高齢者単身世帯の増加や、全国で昨年相次いだ100歳以上高齢者の所在不明問題を背景に必要性が指摘されている。県内のネットワーク整備は、2009年6月末時点では宇都宮市など4市町だったが、その後急増している。
 県主催のフォーラムは17日午後1時半から、とちぎ福祉プラザ(宇都宮市若草1丁目)で。県内で高齢者の見守り活動に取り組む福祉関係者が実践報告するほか、さわやか福祉財団理事長の堀田力氏が基調講演する。
 入場無料。希望者は6日までに申し込む。フォーラムの問い合わせは、運営事務局の下野新聞社業務推進部「地域支え合い体制づくりフォーラム」係、電話028・625・1104。

2011年10月5日水曜日

誘致候補地に46カ所 県のメガソーラー計画 近く企業募集 (下野新聞社 10月4日)


 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の導入を目指す県が、発電事業者の誘致に向けて県内46カ所の候補地 を選定したことが3日分かった。県内での事業化に意欲のある企業を近く募集する。募集に当たっては、候補地ごとに面積や送電線との距離など、事業検討の目 安となる項目をリスト化し、県のホームページなどで公表する。県は2012年度以降の事業化を目指している。
 46カ所の候補地の総面積は431ヘクタール。このうち民有地は35カ所、376ヘクタールで、件数、面積とも最大となった。民有地は市町を通じて応募のあった土地で、山林や原野のほか、岩石採取場跡地などが上がった。
 県有地は5カ所、26ヘクタールで、分譲中の産業団地や比較的面積の広い未利用地などが選ばれた。市町有地も6カ所、29ヘクタールがリスト入りした。
 市町を通じて応募があった件数は最終的に60カ所。県は、農業振興上の優良農地や水源かん養などのため伐採・開発に制限がある保安林などを除外し、候補地を絞り込んだ。
 各候補地のリストに挙げる項目には日射量のほか、更地の割合、売却希望の有無、都市計画法などでの用途規制なども記載する。
 県は、太陽光発電を県内で飛躍的に拡大普及させる象徴としてメガソーラー設置を位置付けている。リストは企業などが適地を探す際の目安となり、公表後は企業側に採算性を検討してもらい、事業化に向けた提案を受け付ける。
 県は、ソフトバンクの孫正義社長が提唱した自然エネルギー協議会に全国の34道府県とともに参加。同協議会を通じた活動が事業化に結び付くか注目される。

県南で大規模土地改良 国に地区調査申請 (下野新聞 10月4日)


  思川と巴波川、渡良瀬遊水地に囲まれた地域の農地を洪水から守るのを目的に、県は3日までに小山、栃木、野木の3市町にまたがる約3300ヘクタールを対 象に、国営土地改良事業の「地区調査」を国に申請した。事業が採用されれば、老朽化した排水設備の更新や排水路整備に100億円以上が投じられる。
 両河川が渡良瀬川に合流する最下流部のこの地域の農地は、これまでたびたび洪水に見舞われてきた。大雨が降ると自然排水が困難になり、排水機によ る機械排水に頼らなければならないこともある。地域内には3カ所の排水機場があるが、築造後40年以上経過した施設もあり、老朽化への対応が急がれてい た。
 このため、地元の土地改良区から要望を受けた3市町長は、福田富一知事に地区調査実施の要望書を提出していた。
 県は国に地区調査を申請するに当たり、現時点での事業概要を地区内3カ所の排水機場の更新と、総延長13・2キロの排水路整備を想定。国営事業費として100億円、関連事業費として16億円を見込んでいる。
 地区調査は2012年から2年間かけて実施される予定。国が県と市町、土地改良区の事業実施の意向を確認した上で、14年に全体実施設計を策定する。対象地域の受益者(主に耕作者)の同意が得られれば、15年にも事業実施に着手することになる。

2011年10月4日火曜日

県、警戒区域指定急ぐ 土砂災害対策 本年度84%、来年度完了へ (下野新聞 10月3日)


 土砂災害防止法に基づき、危険の周知や避難体制整備のための「土砂災害警戒区域」の指定を県が急ピッチで 進めている。本年度末までに対象箇所の84%の指定を終える見込みで、2012年度中に100%指定を目指す。人家がある箇所は本年度中に完了させる方 針。東日本大震災や台風12号、15号で土砂災害が相次いだことを受け、県は「方針通り着実に行う」としている。
 警戒区域は、県が現地調査し土砂災害の恐れがあると判断した場合に、市町との協議や住民説明会などを経て指定する。指定されると市町は、避難経路などを示したハザードマップを作成して住民に危険を周知しなければならない。住民の防災意識を高める効果も期待されている。
 警戒区域は「土砂災害危険箇所」の中から指定されるが、県内には同危険箇所が6924ある。県は05年度に警戒区域の指定を始め、人家や公共施設 がある箇所を優先してきた。昨年度までに危険箇所全体の66%に当たる4566カ所を指定。本年度は過去最多となる1259カ所を指定する予定だ。
 一連の台風で土砂災害危険箇所以外でも土砂崩れが起きた地点があるため、今後は危険箇所の見直しも行う。
 東日本大震災では那須烏山市の土砂崩れで2人が死亡。9月に発生した台風12号、15号では土砂災害による人的被害はなかったが、さくら市喜連川のお丸山公園で大規模崩落が起きるなど、県内各地で民家や公共施設が被害を受けた。
 県砂防水資源課は「ハード整備だけで土砂災害から人命を守るのは限界がある」と警戒区域指定によるソフト対策の重要性を訴えた上で「指定後も防災訓練を実施するなどして住民の意識を高めていきたい」としている。

2011年9月28日水曜日

「みんな」など2会派提出 報酬10%削減案否決 小山市議会(下野新聞 9月28日)


 【小山】市議会みんなのクラブ(野原勇一代表、2人)とあゆみの会(大出ハマ会長、3人)は定例市議会最 終日の27日、議員報酬を削減する条例改正案を提出した。今年4月から5%カットしている報酬の削減幅を10月から10%に拡大する内容だったが、「事前 に説明がない」「議論を尽くして5%削減にしたばかり」などと他会派の同調を得られず否決された。
 議案提出者の大木英憲氏(みんなのクラブ)は「東日本大震災による厳しい状況を市民と一体となって乗り越えるため、さらに踏み込んだ改革が必要」と提案理由を説明。森田晃吉氏(あゆみの会)、野原代表が賛成の立場から討論に立った。
 これに対し、議会改革推進協議会長を務める塚原俊夫副議長が「前期の議会改革推進協議会で厳しい議論を重ね、4月から5%カットしたばかり。議員報酬は策定中の議会基本条例の原則に基づき、英知を出し合って決定するもの」と反対討論した。
 否決を受けて野原代表は「報酬削減は選挙中に市民に約束したこと。今後、市民の声を集めて再度議案を提出したい」と、署名活動に取り組む考えを明らかにした。

9月の県人口 2カ月連続200万人割れ 東北3県からの転入増続く (下野新聞 9月28日)


 県統計課は27日、9月1日現在の県毎月人口推計を発表した。総人口は前月比36人増の199万9859 人で、2カ月ぶりに増加に転じたが、2カ月連続の200万人割れとなった。人口増の要因は前月に比べ出生数が増加したことや、東北3県からの転入増が続い ているためとみられる。前年同月比では5759人の減少。
 出生から死亡を引いた自然動態は35人減だったが、減少幅は前月(279人減)に比べ縮小した。出生数が1545人と、前月より301人増えたことが縮小につながった。
 一方、転入から転出を引いた社会動態は2カ月ぶりに増加に転じ71人増。福島、宮城、岩手の東北3県からの転入者は前年同月比140人(68%) 増の347人となった。本県が7月から実施している避難者向けの民間賃貸住宅借り上げ制度を活用して転入するケースが増えたことが影響したとみられる。

2011年9月24日土曜日

2011.09.21~22 台風15号による大雨がもたらした河川増水の被害調査




台風15号の河川増水による田畑の冠水被害は小山地区においても甚大でありました。
21日、台風接近の中、みんなのクラブの市議2名同行のもと栃木土木事務所の河川管理現場に出向く とともに、翌22日には、被害の大きかった地区の現地調査を行いました。

2011年9月21日水曜日

被災地に交付税繰り上げ交付 本県は338億円(下野新聞 9月21日)


 総務省は20日、東日本大震災で必要となった追加的な経費を支援する特別交付税1748億円を、同日中に関係自治体に前倒し配分すると発表した。内訳は都道府県分1100億円と市町村分647億円。前倒しは4月の762億円に続き2回目となる。
 最も多いのは、住宅被害を受けた世帯に支給する「被災者生活再建支援金」の積立基金が枯渇することを受け、各都道府県が負担する拠出金の801億円。公務中に死亡した消防団員の遺族に一時金などを給付する消防基金への市町村の拠出金は197億円と算定した。
 特別交付税は災害対策費など年度当初には予期できなかった経費に充てられる。本年度の総額は、補正予算での積み増し分約6千億円を含め約1兆6千 億円。配分は12月と翌年3月の年2回が原則だが、地方交付税法の改正で本年度から、大規模災害発生時の前倒しが可能になった。
 本県は、県分が14億7571万円。市町分は、大田原市や日光市など9億2125万円で、総額23億9696万円。

9月補正など19議案提出 9月定例県議会開会 10月14日まで25日間(下野新聞 9月21日)


県議会9月定例会は20日開会し、福田富一知事ら県執行部は、東日本大震災で被害を受けた一万人プール (真岡市)や深山ダム(那須塩原市)などの復旧費や、放射性物質対策などを盛り込んだ総額66億9924万円の2011年度一般会計9月補正予算案など 19議案、県企業会計の決算認定6件と、報告3件を提出した。
このうち県公安委員会委員に元県総合教育センター所長の佐藤信勝氏(66)=宇都宮市=を再任する人事案件を即決した。
会期は10月14日までの25日間で、代表・一般質問は9月26~28日の3日間行われる。

2011年9月14日水曜日

9月定例県議会20日開会 一般質問は26~28日(下野新聞 9月13日)


 県議会は12日、議会運営委員会(石坂真一委員長)を開き、9月定例会の会期を20日から10月14日までの25日間と決めた。
 福田富一知事ら県執行部は総額66億9924万円の2011年度一般会計9月補正予算案、県公安委員会委員の再任同意など19議案と、決算の認定 6件、報告3件を提出する考えを示した。補正予算案には、東日本大震災や福島第1原発事故を受け、県産農産物の安全・安心をPRする事業費や汚染された牧 草を市町が埋却処分する際の助成費などを盛り込む。
 代表・一般質問は26、27、28日の3日間で計11人が質問する。

「枝野氏は安全パイ大臣」 みんな・渡辺代表が皮肉 経産相人事(下野新聞 9月13日)


 みんなの党の渡辺喜美代表は12日、那須町内で開かれた同党所属国会議員向けの「アジェンダ合宿」で講演 後、新経済産業相に枝野幸男前官房長官が就任したことについて「とっぴな行動はとらない。役所の路線から外れることもしない。(野田首相は)安全パイ大臣 として採用したのだろう」と記者団に述べ、枝野氏の起用を皮肉った。
 渡辺氏は「前内閣の中枢にいた枝野氏が大臣になることで、原発問題の検証がねじ曲げられないよう注意深く監視する」とけん制。
 来秋の県知事選については「アジェンダ(政策課題)にふさわしい人を応援したい」と述べるにとどめた。
 講演では「(次期)衆院選と参院選で公明党の40議席を超える議席を確保し、5年以内に政権を取りたい」との目標を示した。

2011年9月10日土曜日

震災予算、累計324億円に 県、9月補正案発表 8割強が災害対応(下野新聞社 9月10日))


県経営管理部は9日、2011年度9月補正予算案について一般会計を66億9924万円とすると発表した。このうち東日本大震災に対応した予算は約54億7千万円で、81%を占めた。11年度になってからの震災対応予算は、累計約324億2500万円に達した。
震災対応を除いた通常分の予算額は約12億3千万円。10年度の同時期は国の経済対策に呼応して、2度にわたり約94億円の9月補正予算を編成した。同部はこれを例に挙げ「震災対応を除けば例年と比べてかなりの緊縮予算」としている。
震災対応分では、被災者生活再建支援基金への拠出金として本県に割り当てられた約13億8千万円のほか、福島県などからの避難者への民間住宅借り上げ経費を災害救助費として約8億円計上。道路整備や河川改修などの県単公共事業費には22億1千万円を計上した。
これらの財源には、歳入の32%に相当する地方交付税と国庫支出金、28%に相当する県の借金(県債)などが充てられた。

2011年9月9日金曜日

一般会計67億円 県9月補正 グリスタ改修設計費計上 震災復旧で倍増(下野新聞 9月9日)



 福田富一知事は8日、県の2011年度9月補正予算に対する県議会各会派の要望に回答し、一般会計は約 67億円の規模となる見通しを示した。東日本大震災と福島第1原発事故に伴う対策費を盛り込んだことで、例年並みの規模だった前年度の約34億8千万円 (提案時)に比べ倍増した。福田知事は今後、国の第3次補正予算に呼応して追加補正を検討する考えも示した。9月補正予算案は9日に正式発表する。
 4会派が要望した県グリーンスタジアムのJ1基準への改修については「栃木SCのJ1昇格は県民に明るい話題を提供し、地域経済活性化も期待される」として、スタンド増席の設計委託費350万円を計上する。
 休業中の「井頭公園一万人プール」(真岡市)は、震災被害が比較的少なかった波のプールとちびっこプールの来季再開に向け復旧工事を行う。被害の大きいウオータースライダーや流れるプールなどは、復旧か新装かの両面で検討を進める。
 知事は、最大会派のとちぎ自民党が上乗せ要望した県単公共事業費など計17億3520万円について満額回答した。三森文徳政調会長は「回答に満足 している」と評価したが、来年度以降に予想される税収減に危機感を表明。「新年度予算がしっかり組めるよう対応したい」と述べた。
 その他の会派も知事回答を評価する声が多かった。みんなのクラブの高橋修司政調会長は「県執行部とは問題意識を共有している。知事の熱意を評価したい」などと理解を示した。公明党議員会の山口恒夫代表は「要望に最大限応えてもらった」と評価した。
 民主党・無所属クラブの一木弘司代表は評価を留保し、「回答内容を検証したい」と述べた。
 各会派によると、県単公共事業費は上乗せを含め計約22億円で、道路整備に約16億円、小学校の通学路対策と河川改修に約6億円。
 このほか、放射性物質で汚染された牧草を市町が処理する際の助成費として3千万円が盛り込まれる。

2011年9月7日水曜日

県職員最終合格者は96人 県人事委員会事務局(下野新聞 9月7日)


県人事委員会事務局は6日、2011年度の県職員(大卒程度)と小中学校事務職員(同)の採用試験の最終合格者を発表した。県職員は前年度比3人減の96人、小中学校事務職員は同10人増の18人が合格した。
最終倍率は、県職員が10・3倍で前年度と変わらなかった。小中学校事務職員は採用者数が増えたことにより、前年度比で9・5ポイント下がり16・1倍だった。

2011年9月1日木曜日

訪問歯科診療など支援 県の歯科保健計画骨子案 県、受診状況実態調査へ(下野新聞 9月1日)


 県は4月に施行された「県民の歯および口腔の健康づくり推進条例」(歯科保健条例)に基づき、 本年度中に策定する県歯科保健基本計画の骨子案をまとめた。フッ素などを用いた乳幼児の虫歯予防の普及支援や、障害者や要介護者への訪問歯科診療の体制づ くり支援などに力を入れる。31日に開かれた有識者による歯科保健推進協議会(会長・柴田勝県歯科医師会長)で承認された。
 計画策定に反映させるため、県は20歳以上の県民の歯科検診の受診状況や、介護・福祉施設の入所者の歯科診療に関する調査を年内にも行う。
 計画期間は2012年度から6年間の予定。骨子案は、県や市町の担当者でつくるワーキンググループで検討した。「歯科保健医療推進のための施策」 として(1)病気などの予防(2)啓発と検診の普及(3)障害者・要介護者への歯科保健医療サービスの確保(4)歯科保健医療提供体制の整備-の四つの柱 を設けた。
この日の協議会では、委員から、成人の歯周病予防の重要性や、歯科医が糖尿病など他疾患の専門医や福祉施設と連携する必要性などが指摘された。
県などの調査によると、県内で虫歯のある3歳児の割合は24・7%、12歳児の1人平均虫歯数は1・4本で、いずれも全国平均を上回っている状態。また40歳で歯周炎がある人の割合は22・5%で、とちぎ健康21プランの目標(17・9%以下)を達成していない。 

2011年8月30日火曜日

県産肉牛、流通再開へ全頭検査開始(下野新聞 8月30日)


県産牛の出荷制限の一部解除を受け、県の品質管理計画による全頭検査が29日、始まった。県内農家から出 荷された肉牛53頭が県内3カ所のと畜場で解体され、県央、県南2カ所の家畜保健衛生所で簡易検査された。県は30日に結果を公表する。安全性が確認され た枝肉は31日、都内などで競りに掛けられる予定。
肉牛は県内全域から県畜産公社(宇都宮)に35頭、両毛食肉センター(足利)に7頭、那須地区食肉センター(大田原)に11頭が搬入された。
職員が解体した枝肉から首周辺の約1・5キロを採取し、個体識別番号を張って管理。家畜保健衛生所に運び込み、脂肪分などを取り除いた赤身のみを使って簡易検査した。
放射性セシウムが1キログラム当たり200ベクレル以下ならば「検査結果通知書」を発行し、市場に流通させる。200ベクレル以上の肉は精密検査を行い、500ベクレル以下ならば流通させ、500ベクレル以上は廃棄処分する。
安全性が確認された枝肉は31日にも、東京食肉市場などで競りに掛けられる見通し。
県畜産公社の山口幸志社長は「とりあえず出荷が再開されてよかった」と、胸をなで下ろしていた。

県北3市町も不検出 コメ放射性物質検査(下野新聞 8月30日)


県農政部は29日、2011年産の県産米モニタリング検査の予備検査(収穫前検査)で、大田原市、那須塩原市、那須町、西方町の玄米から放射性物質は検出されなかったと発表した。
西方町は24日、大田原市、那須塩原市、那須町は26日に玄米のサンプルを採取した。対象は旧市町村単位ごとに大田原11カ所、那須塩原8カ所、那須町4カ所、西方町1カ所の計24カ所。玄米は県農業試験場などで検査した。
大田原、那須塩原、那須の3市町は9月5日に本検査(収穫後検査)を実施する予定。結果は7日にも判明する見通しで、国の基準値を下回れば農家への出荷や販売の待機要請が解除される。
3~4月に実施した水田土壌調査では、那須塩原市で3130ベクレル、大田原市で2014ベクレルを検出するなど、県北を中心に放射性セシウムが高い傾向があった。
このため同部は今回のコメ検査では、サンプル採取地を旧市町ごとに増やすなどして調査している。県内のコメからはこれまで放射性物質は検出されていない。
4市町の予備検査地点(旧町村)は次の通り。
大田原市(大田原町、親園村、野崎村、佐久山町、金田村、西那須野町、湯津上村、黒羽町、川西町、須賀川村、両郷村)▽那須塩原市(黒磯町、鍋掛 村、東那須野村、高林村、西那須野町、狩野村、塩原町、箒根村)▽那須町(那須村、伊王野村、芦野町、鍋掛村)▽西方町(西方村)

「党内分裂変わらず」 民主新代表選出で本県野党国会議員 みんな・渡辺氏「連立ありえぬ」(下野新聞 8月30日)


民主党代表選で野田佳彦氏が新代表に選出された29日、本県関係の野党議員からは、代表選であらためて露見した党内対立や野田氏の増税路線に対する批判など、厳しい指摘が相次いだ。
自民党県連会長の茂木敏充衆院議員は「決選投票の結果を見ても、野田さんと海江田(万里)さんに真っ二つに割れて、菅政権以来の主流派と反主流派の分裂は変わっていない」と、民主党の内紛体質を批判。
新政権に対して「(政権交代後の)2年間をどう総括し何をやっていきたいのか、議論を深める必要がある」として、早期の臨時国会開催を求める構え。
公明党県本部代表の遠藤乙彦衆院議員は「野党との協力という点では野田さんが適任だろう」と一定の評価をした上で「ただ彼は財政再建至上主義。これは間違い。今の状況でやると日本はガタガタになる。その辺をどう軌道修正させるかが大切だ」とくぎを刺した。
みんなの党代表の渡辺喜美衆院議員は、決選投票の末に野田氏が海江田氏を破ったことについて「『野田さんのほうが不人気だから解散はしない』などというピント外れの点が党内に受けた」と皮肉った。
野田氏が自民党との大連立に前向きなことについては「自民党も増税勢力。増税と電力料金引き上げ、ダブルで国民につけが回されていく政権になると思う」と述べた。みんなの党との連立の可能性も「ありえません」と否定した。

2011年8月25日木曜日

県産肉牛きょうにも出荷停止解除 3週間ぶり出荷再開へ(下野新聞8月25日) 


福島第1原発事故による放射能汚染の影響のため、県産肉牛が出荷停止となっている問題で、政府が25日に も本県の出荷停止を解除する方針を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。本県が「品質管理計画」で示した牛の全頭検査体制や、汚染わらの管理を 国が了承したとみられる。早ければ来週早々にも約3週間ぶりに県産肉牛の出荷が再開される見通し。岩手、福島の両県についても解除の方向で検討している。
出荷停止解除に向け県は、国に対し適切な飼養管理の徹底、全頭検査体制の確立などを盛り込んだ品質管理計画を示した。
計画では県内57戸の農家が保有する汚染稲わらについて、国の処分方法が決まるまで、県が管理することを明記。牛舎から離れた場所で隔離し、県職員が確認表を作成して定期的にチェックする。
出荷体制について国は、汚染された可能性のある牛を飼育、出荷した農家は全頭検査、それ以外の農家には全戸検査を求めていた。これに対し県は出荷するすべての牛の肉について、放射性物質検査を実施し安全を確認する。
汚染稲わらを与えていた農家には県内の食肉処理場に出荷するよう求め、県が直接安全を確認し市場に流通させる。それ以外の農家は県内で1頭を検査 し、放射性セシウムが1キログラム当たり50ベクレルを下回った場合には2頭目以降、県外の出荷先でも検査できるようにする。県産牛の約8割は都内など県 外で食肉処理されている。
県内複数の市町から出荷した牛の肉から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出され、政府は2日に福田富一知事に出荷停止を指示していた。

2011年8月20日土曜日

県産牛出荷停止、週明け早々の解除目指す(下野新聞 8月20日)

福島第1原発事故による放射能汚染で、県産牛が出荷停止となっている問題で、吉沢崇県農政部長は19日の会見で、「来週早々の解除に向け(国と)協議している」と述べ、解除に向けた国との協議が最終段階にあることを示唆した。福田富一知事が同日行った、畜産農家への支援策を盛り込んだ専決処分の会見で明らかにした。

吉沢部長は解除時期について「(来週早々解除となる)見通しが立ったわけではない」と述べ、国との協議の進展を見極める必要性にも言及した。ただ専決処分は「解除条件をクリアするためでもある」とも述べ、早期解除に期待を込めた。

解除となるには、肉牛の「品質管理計画」が国に了承されなければならない。県の計画では、県外の食肉処理場へ出荷する際には本県が放射性物質検査を行う方針で、東京都や埼玉県などと協議を進めている。

農家が保有する汚染稲わらは、スプレーなどで着色し牛舎から離れた場所で農家が隔離。県職員が定期的に管理状況をチェックできる体制を整える。

県産牛問題、各党動く 要望書や懇談会活発に 自民、みんなが先行(下野新聞 8月19日)

福島第1原発事故に伴う放射能汚染で県産牛が出荷停止となっている問題で、県内各政党の動きが活発化している。自民、みんな両党は県内の牛飼養関係者との会合を相次いで開催、早期の出荷停止解除や農家の支援に向け取り組む。これに対し民主党は週明けの22日に会合を予定。日程的には両党に後塵を拝した格好だが、関係者は「政権党として政府に直接訴える」と意気込む。農家の窮状を踏まえ早期解除の道筋を付けられるか、与党の力量が試される。

自民党県連と県議会のみんなのクラブは今月2日、政府の出荷停止指示直後に、早急に解除に向けた対応を行うよう県に要望書を提出。さらに自民は9日、牛飼養農家の支援策強化を求める2度目の要望書も出した。県が翌10日に発表した支援策には、制度融資の拡充など自民の要望がほぼ盛り込まれ、県政与党の力を示した。

また10日にはみんな、11日には自民が、競うように牛飼養関係者との意見交換会を開催し、切実な訴えを直接聞き取った。

自民県連の三森文徳政調会長は「県の9月補正予算での対応を県に求める」、みんなの高橋修司政調会長も「実効性のある政策に取り組む」と述べ、両党とも最重要案件と位置付ける。

両党のほか公明党県議員会、さらには県議会に議席を持たない共産党県委員会も県に要望書を提出。各党とも全国屈指の「畜産王国」の危機に敏感に反応している。

そうした中、民主党県連は17日、酪農・畜産部門の緊急懇談会を22日に宇都宮市内で行うと発表した。

県議会内からは「対応が遅い」と冷ややかな声も聞かれるが、同県連の石森久嗣幹事長は「最新の国の情報を関係者に伝えた上で意見を聞き、農水大臣に直接伝える。県が早急に対応できるよう取り組む」と述べ、政権与党としての役割を果たすと強調する。

出荷停止の解除に向け県は現在、国と調整を進める。県は全頭検査で安全確保を図る一方、県内57戸が保有する汚染稲わらは、各農家が隔離し県が定期的に巡回することで安全性を担保したい考えだ。

本県より先に出荷停止指示を受けていた福島、宮城両県は、早ければ19日にも解除される見通し。県の取り組みだけでは解決しない問題だけに、政権与党の民主が早期解除に向けどれだけ政治力を発揮できるか注目される。

小山産のコメ、放射性物質不検出(下野新聞 8月18日)

県産米に対する放射性物質の影響を調べるモニタリング検査のうち予備検査を行っている県は17日、小山市内で採取した早生品種「なすひかり」の収穫1週間前の玄米からは放射性セシウムが検出されなかった、と発表した。コメの検査結果が出たのは初めて。収穫後の玄米で行う本検査は今月下旬ごろから実施し、安全性が確認された地域から順次、出荷待機を解除する。

玄米は12日、同市寒川地区の水田から採取。脱穀して乾燥させるなどした約2キロを15日から、都内の分析機関で調べた。予備検査は県内73カ所で行う。

本検査は予備検査結果を基に、農林業センサスによる県内182の旧市町村単位を原則に実施する。予備検査で一定水準(1キロ当たり200ベクレル)を上回った地域は「重点検査区域」とし、該当地域を約15ヘクタールごとに細分化。国の暫定規制値(同500ベクレル)を上回った場合は出荷が制限される。

小山市の本検査は今月下旬から、旧市町村ごとに計10カ所で実施。すべての地域の安全性が確認され次第、新米の出荷が始まる。

民主代表選「D級グルメだ」 みんなの党・渡辺代表(下野新聞 8月13日)

みんなの党の渡辺喜美代表は12日の定例記者会見で、「ポスト菅」の民主党代表選について「次期代表選に出馬する人たちは『B級グルメコンテスト』などと言われているが、B級グルメに失礼だろう」と述べ、「まさにデフォルト(債務不履行)級、D級グルメコンテストだ」と批判した。

また、福島第1原発事故への対応などをめぐって更迭された経産省事務次官ら3幹部の退職金について「更迭と言っておきながら、勧奨退職と同じ扱いで、自己都合退職よりも2割前後高くなる見込みだという。これほど国民をばかにした話はない。役人に使われる大臣ばかりというのが、民主党政権の正体だ」と指摘した。

みんなの党結党2年 法案積極提出 政策力蓄え総選挙に照準(下野新聞 8月9日)

渡辺喜美氏が代表を務めるみんなの党が8日、結党2年を迎えた。昨夏の参院選で躍進し、今春の統一地方選でも本県などで勢力を伸ばした。国会では、独自の法案を次々出してアピールしているが、自民、公明両党の陰に隠れて存在感は薄れがち。今は法案提出などで政策力を蓄え、次期総選挙でキャスチングボートを獲得し、政界再編を目指す戦略を描いている。

「(4日の)市場介入など日銀の措置はほとんど効き目がない。日銀法を抜本的に変えることが必要だ」。5日午後、渡辺氏らは日銀法改正案など2法案を参院に提出した。

1月から始まった今国会で、みんなの党は独自の法案を8本、参院に提出した。昨夏の参院選で10人当選したため、単独での法案提出が可能になった。だが、審議に入った法案はなく、政策実現にはほど遠いのが実情だ。

ただ、東日本大震災後は、野党共同提案の法案が成立するなど、みんなの党の主張が政策づくりに反映されるケースも出てきた。同党の山内康一国対委員長は「審議には入れなくても法案を出せばメディアは取り上げてくれるし、旗を立てれば国民に知ってもらえる。審議もされない法案を出すのは無駄だととられるかもしれないが、後で必ず生きてくる」と意義を強調する。

■党首討論実現せず

参院選の成果で、党首討論に参加する「資格」も得た。ところが、実際には渡辺代表の党首討論は実現していない。

党首討論を行うには衆参いずれかの国家基本政策委員会に所属していることが条件。渡辺氏は所属していないため、1年前から民主、自民両党に所属を申し入れてきた。

だが、所属変更は可能であるにもかかわらず、受け入れられていない。山内氏は「入れてくれないのは国会のルール違反」と指摘。「代表にはインパクトがあるから嫌なんだと思う」と推測する。

震災後は民主、自民、公明の3党協議で法案を修正することが増えた。蚊帳の外に置かれている状況に、みんなの党幹部は「埋没していると言えばそうかもしれないが、密室談合政治は問題だ」と批判する。

■全都道府県に候補

今月1日、都内のホテルに同党の選挙区支部長が集まった。選挙のノウハウなどを伝える研修会で、次期総選挙をにらんだ選挙準備の一環だ。

目標の立候補者数は100人以上。北海道や中国、四国など同党の基盤が脆弱な地方で足場を築くことが課題の一つだ。幹部の一人は「候補者が一人もいない都道府県をなくす」としており、「政党の売りは政策と候補者。候補者の質と量を両方満たすよう努力を急がないといけない」と話す。

民主離れが進む一方、自民への支持も回復しきっていない。渡辺氏は「次の総選挙で、キャスチングボート勢力となれるようにする」と狙いを定める。

牛出荷停止被害 農家へ保証を 県議会「みんな」(下野新聞 8月3日)


県議会会派「みんなのクラブ」(阿久津憲二代表)は2日、福田富一知県議会会派「みんなのクラブ」(阿久津憲二代表)は2日、福田富一知事あてに、政府が指示した本県の肉牛の出荷停止で被害を受ける畜産農家への金銭補償などを求める緊急要望書を提出した。
 要望書は、出荷停止によって「本県の畜産農家などの資金繰りが悪化し、最悪の場合、自己破産などが相次ぐことが予想される」と懸念。肉牛の安全確認後は直ちに出荷解除することや、検査機器確保に万全をつくすことを国に働き掛けるよう事あてに、政府が指示した本県の肉牛の出荷停止で被害を受ける畜産農家への金銭補償などを求める緊急要望書を提出した。